2016/09/15
厚生労働省は8月24日の中央社会保険医療協議会の薬価専門部会で、腫瘍薬「オプジーボ」の緊急的な薬価の引き下げを提案した。
昨今、高額な新薬が多く登場し、医療費の高騰につながっているという指摘がある。また、効能・効果の追加や用法・用量の拡大が行われると、その薬剤を使用する人数が増える。このため、医療費が高騰しないように薬価改定が診療報酬改定に合わせて2年に1度実施されるが、追加・拡大の時期によっては改定の議論に間に合わず、高額なまま多くの人に薬剤が提供され続けることになる。
このような状況を受け、厚生労働省は、効能・効果の追加などで使用する人が増えた薬剤について、緊急的な対応が必要と指摘。効能・効果の追加などが2015年10月から2016年3月までにあり2016年度改定に間に合わず、突出して使用する人が増えた薬剤(2016年度の市場規模が当初予測の10倍を超え、かつ1000億円を超えるもの)として、オプジーボの期中改定(通常の薬価改定時以外での改定)を含めた検討を行うことを提案した。
しかし、高額薬剤の薬価の見直しは、新たな薬を研究・開発する製薬メーカーのモチベーションを下げてしまうという指摘がある。また、薬価改定のルールにはない期中改定を行うことに慎重な意見も出ており、今後の議論が注目される。
さらに、高額な薬剤による医療費の高騰を抑えるために、薬剤を適切な患者に、適切な方法で使用することが求められている。このため、厚生労働省は新規作用機序医薬品の「使用が最適だと考えられる患者の選択基準」、「適切に使用できる医師・医療機関等の要件」を掲載したガイドラインを、保険収載の承認と併せて策定することを検討する。
図 ガイドラインを活用した医薬品の承認から保険収載までの手順
詳しくは、下記の厚生労働省Webサイト参照
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000134405.html
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