2016/09/21
公益社団法人日本看護協会が認定する看護師の専門化は発足から20年以上を経過しているが、臨床現場における質の確保にますます必要なものとなっている。専門看護師制度は1994年から、翌年1995年に認定看護師制度、1998年には認定看護管理者制度が発足した。
去る7月22日に、同協会は第24回認定看護師認定審査の結果を公表し、新たに1,626人が認定されたことを発表した。これによって、認定看護師は21分野で1万7,443人となった。今回、最も認定者が多かった分野は「感染管理」で256人。次いで「緩和ケア」が206人、「認知症看護」が159人となっている。認定看護師の総数が多い分野は「感染管理」で2,560人、次いで「皮膚・排泄ケア」が2,303人、「緩和ケア」が2,038人となった。(表1)
日本看護協会の認定制度は国の診療報酬改定とも密接に関連している。最初に認定看護師の専門性が診療報酬上の評価を得たのは、2006年の「褥瘡ハイリスク患者ケア加算」で、皮膚・排泄ケア認定看護師の専門性が評価された。今年4月の診療報酬改定では、「認知症ケア加算1」が新設された。これは入院中の認知症症状の悪化予防と身体疾患の治療の円滑化を目的に、専門知識を持った多職種の連携を評価するものである。算定するためには「認知症ケアチーム」による患者の評価などが必要であり、このチームには専任の「認知症治療に係る適切な研修を修了した看護師」が所属していることが求められ、老人看護専門看護師、認知症看護認定看護師はこれに該当する。今回の診療報酬改定で、認定看護師や専門看護師を配置要件とする診療報酬項目は20項目となった。今後いっそう、看護の専門性が高まることが期待される。
分野(認定看護分野特定順) | 合格者(人) | 認定看護師総数(人) |
---|---|---|
救急看護 | 100 | 1,115 |
皮膚・排泄ケア | 148 | 2,303 |
集中ケア | 95 | 1,113 |
緩和ケア | 206 | 2,038 |
がん化学療法看護 | 88 | 1,463 |
がん性疼痛看護 | 19 | 776 |
訪問看護 | 70 | 560 |
感染管理 | 256 | 2,560 |
糖尿病看護 | 51 | 823 |
不妊症看護 | 17 | 162 |
新生児集中ケア | 20 | 380 |
透析看護 | 18 | 225 |
手術看護 | 77 | 472 |
乳がん看護 | 34 | 316 |
摂食・嚥下障害看護 | 78 | 671 |
小児救急看護 | 24 | 252 |
認知症看護 | 159 | 810 |
脳卒中リハビリテーション看護 | 60 | 640 |
がん放射線療法看護 | 24 | 224 |
慢性呼吸器疾患看護 | 24 | 244 |
慢性心不全看護 | 58 | 296 |
全21分野 合計 | 1,626 | 17,443 |
詳しくは、下記の日本看護協会Webサイト参照
http://www.nurse.or.jp/up_pdf/20160722140551_f.pdf
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