2016/10/21
日本人はカルシウムの摂取量が少ないと言われている。平成26年国民健康・栄養調査では、1歳以上の男女で1日のカルシウム平均摂取量は497mg。厚生労働省が推奨している1日あたりのカルシウム推奨摂取量は成人男性650~750mg、成人女性550~600mgであり、不足している。特に女性は閉経後に骨粗鬆症になりやすい。厚生労働省による平成25年の国民生活基礎調査では、要介護者の「介護が必要となった主な原因」の女性の第3位、男性で第4位が「骨折・転倒」だった(図1)。このため、カルシウムをサプリメントで摂取している人も多いだろう。
この度、オランダとスウェーデンで行われた研究で、カルシウムサプリメントの使用と認知症の発症に関係性が見られたという結果が導き出された。この研究は、2000年~2001年に、認知症を患っていない70歳~92歳の女性700人を対象に実施。開始時とその5年後に、脳のスキャン検査と認知の検査を実施したものだ。この結果、カルシウムのサプリメントを使用していた98人は、使用していなかった人に比べて認知症進行のリスクが高かった。特に、脳血管性認知症のリスクが高くなった。さらに分析すると、脳血管疾患を患った経験のある女性で、この現象が見られた。研究は小規模なものであり、カルシウムのサプリメントの摂取が認知症を引き起こすとは言えないが、今後の研究が注目される。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/20-21-h25.pdf
図1 性別にみた介護が必要となった主な原因の構成割合
詳しくは、下記の「Neurology」Webサイト参照
http://www.neurology.org/content/early/2016/08/17/WNL.0000000000003111
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