2016/11/14
厚生労働省の推計によると、2012年時点で65歳以上の高齢者の中で認知症患者は約462万人、65歳以上の4人に1人が認知症あるいはその「予備軍」といわれている。さらに、軽度認知障害を含めると800万人以上の人が認知機能の障害を抱えているとされている。そして、2025年には認知症患者は700万人に達すると見込まれている。そのため、認知機能の低下や認知症の重症化を遅らせるために、早期発見・早期介入の重要性が注目されている。
そうした背景を踏まえて、WHO神戸センターと神戸大学は、認知症の早期発見・早期介入をめざす統合的な「神戸モデル」構築に向けた取り組みを始める。これは「認知症の社会負担軽減に向けた神戸プロジェクト」というもので、3年間の共同研究になる予定。
本研究では、WHO神戸センターと神戸大学が中心となる共同研究チームが、神戸市の協力のもとに、神戸市民を対象としたスクリーニング調査とコミュニティにおける認知症啓発プログラムを通じて、認知症の早期発見、早期治療の実現をめざすというものだ。具体的には、70歳代の神戸市民約5万人を対象にして、認知症の大規模研究に着手する。厚生労働省作成の「基本チェックリスト」を活用して、25問に対する回答から症状の有無を判断し、認知症のリスクが高い「予備軍」8000人を抽出。認知症の予防・相談事業などに取り組む、市の「あんしんすこやかセンター(地域包括支援センター)」とも連携して、「予備軍」には、かかりつけ医や神戸大学病院への受診を勧める。また、予防や、症状が進むのを抑制するため、脳トレーニングや健康体操などの教室への参加も呼び掛ける。そして、これらの成果を「神戸プログラム」として発信する予定だ。
認知症に対する根本的な治療法はないが、症状によっては進行を遅らせる薬もあることから、より早く症状を把握することによって、介護する人の心身と経済面での負担を軽くできる可能性がある。
研究チームは、以下のようなメンバー構成。
詳しくは、下記のWHO神戸センターWebサイト参照
http://www.who.int/kobe_centre/mediacentre/JA_dementia_research/ja/
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