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2017/02/02

2年後をめどに、医療用手袋は「パウダーフリー」に全面切り替えに

手術用手袋は大きく「天然ゴム製」と「合成ゴム製」に分けられる。天然ゴムは、パラゴムの木から採取される樹液で、弾力性があって柔らかい。この天然ゴムを使用した手袋は、着用をスムーズにするためにパウダーが塗布されている場合が多い。

パウダー付手術用手袋を使用するとき、使用前の洗浄が不十分であると残留したパウダーが強く固まり、患者が異物反応を起こしやすくなるといわれている。また、パウダーは手指皮膚の擦過・乾燥を引き起こし、刺激性接触皮膚炎の原因ともなり、使用する医療従事者にとっても害が多い。そのためイギリスやドイツでは、10年以上前からパウダー付手術用手袋の使用が禁止されている1。我が国ではこれまで公的な規制はないものの、関係業界では、パウダーフリー手袋への切替えが進められてきていた。

この度、アメリカのFDA(米国食品医薬品局)が医療用手袋に付いているパウダー(コーンスターチなど)が、まれにアレルギーを誘発する可能性があることや、肉芽腫や術後癒着の形成リスクを高める恐れがあることなどを理由に、流通を差し止める措置をとると発表した。それを受けて日本グローブ工業会は、パウダーフリー手袋への供給切替えの強化に取り組むことを厚生労働省に報告した。そこで、同省が2016年12月27日付事務連絡「パウダー付き医療用手袋に関する取扱い」を通知した。

薬生機審発1227第1号 薬生安発1227第1号 平成28年12月27日

パウダー付き医療用手袋に関する取扱いについて

つきましては、我が国においても、一層の安全性確保の観点から、パウダーフリー手袋への供給切替えを促すため、下記のとおり取り扱うこととしましたので、御了承の上、貴管下の医療機器製造販売業者等に対し、周知徹底方、御配慮願います。

  1. 1対象製品:

次の一般的名称の医療用手袋とする(セット製品等の中に入っているものも含む。)。

  • 天然ゴム製手術用手袋
  • 天然ゴム製検査・検診用手袋
  • 非天然ゴム製手術用手袋
  • 非天然ゴム製検査・検診用手袋
  • 歯科用手袋
  1. 2パウダー付き医療用手袋の取扱いについて

平成30年末までにパウダーフリー手袋(*)への供給切替えを行ってください。そのため、本通知以降、パウダー付き医療用手袋の新たな製造販売認証申請や製造販売届出は控えることとし、既に製造販売認証を受けている、または製造販売を届け出ているものについては、可能な限り速やかに、必要に応じた変更手続(認証事項一部変更認証申請、製造販売届出事項変更届等) 又は製造販売認証若しくは製造販売届出の整理等を行ってください。

*残留パウダーの限度量について、米国では2mg/glove以下の残留を許容するとしているとしており、この確認方法等を規定している規格として、ASTMD6124があり、当面これを参考とすること。

  1. 3情報提供等の実施

パウダーフリー手袋への供給切替えを行うまでの間の対応として、パウダー付き医療用手袋について、同趣旨の内容を、医療機関等に対して速やかに情報提供を行うとともに、添付文書の【使用上の注意】の項に同趣旨の内容が記載されているかを点検し、記載されていない場合には追記等を行ってください。

文献1 Richard F, William B, Dean K, et al. Dangers of Cornstarch Powder on Medical Gloves -Seeking a Solution-.Annals of Plastic Surgery2009;63(1):111-115.

詳しくは、以下の厚生労働省Webサイト参照

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