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2017/02/16

最初は高いが伸びが少ない看護師の給料--改善に向けて積極的取り組み

看護師の賃金は、初任給は高いが、その後の伸びが少ないとはよく言われる。人事院が発表した「平成27年職種別民間給与実態調査」による資料をもとに、医師を除く医療職の賃金の年齢推移をみたのが図1である。看護師の賃金は確かに20~30歳にかけてはトップだが、その後の伸びが少なく、52~55歳で最も下がり医療職者の中でも一番低くなっている。入職時から夜勤をこなさなくてはならないため夜勤手当等の特別手当によって最初は高収入だが、師長になると管理的な仕事は増えたにもかかわらず夜勤がない分、給料が減ってしまったという話はよく聞かれる。

図1 医療職の賃金カーブ(平均支給額)

日本看護協会では、こうした実態に関して、看護職の平均賃金が中高齢層で低くなるのは、看護部門の人数規模に対してポスト数が少ないこと、転職や再就職時に賃金が低くなることが原因と分析している。さらに、看護師が勤務し続ける上での問題点として最も多いのは「賃金(賞与含む)が低い」で、「看護業務以外の業務が多い」「休暇がとれない・とりづらい」などの要因を上回っているという調査結果から、賃金処遇の改善が看護職の離職を減らすことにつながると考えている。そこで、同協会では看護職の賃金のあり方について検討を続けてきたが、去る1月24日「看護職の賃金モデル」推進会議を開き、「病院で働く看護職の賃金のあり方」に関する同協会の提案を公表した。協会が提案するのは、「看護職の賃金体系モデル」と「多様な人材を確保・活用するための賃金処遇」の2つだ(図2)。

図2 日本看護協会の提案

このモデルをもとにして、2018年度から全国各地で「実務者研修」(仮称)を実施し、病院の実務担当者を対象に、同モデルに基づく賃金制度の整備や再構築方法の普及を図りたいと話した。2017年度中には、全国6ブロックで賃金モデルの「導入支援者研修」を実施し、導入支援の講師役となる人材を育成するという。対象は病院の看護管理者や事務長、社会保険労務士などで、実務者研修プログラムには、人事・賃金制度や人材育成、事例紹介などの講義のほか、架空の病院の例を用いてケーススタディのグループワークなどを盛り込む見通しだ。この日の会議では、賃金制度の整備や再構築に取り組んでいる病院の担当者から、人材育成型の人事評価制度を賃金体系と連動させている試みや、役割に基づく処遇を実現した制度導入などについて発表があった。長時間労働の是正に向けて国をあげての取り組みが急速に動き始める中で、看護職の賃金処遇改善への積極的な取り組みに期待したい。

詳しくは、下記の日本看護協会Webサイト参照

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