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2017/04/13
治療と職業生活の両立サポートのための指針に「脳卒中」が追加
疾病をかかえながら職場復帰する人は多い。“がんサバイバー”という言葉が一般に認識されるようになった今、がんの治療を継続して続けながら社会復帰する人たちが増えている。厚生労働省では、「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」を公表して、職場復帰を支援している。
このガイドラインは、事業場が「がん」や「脳卒中」などの疾病を抱える人たちに対して、適切な就業上の措置や治療に対する配慮を行い、治療と職業生活が両立できるようにするため、事業場における取組みをまとめたもの。ガイドラインでは、職場における意識啓発のための研修や治療と職業生活を両立しやすい休暇制度・勤務制度の導入などの環境整備、治療と職業生活の両立支援の進め方に加え、特に「がん」について留意すべき事項をとりまとめている。 今回、当ガイドラインに「脳卒中に関する留意事項」が追加された。
事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドラインのポイント
<治療と職業生活の両立支援を行うための環境整備>
- 労働者や管理職に対する研修などによる意識啓発
- 労働者が安心して相談・申出を行える相談窓口を明確化
- 時間単位の休暇制度、時差出勤制度などを検討・導入
- 主治医に対して業務内容などを提供するための様式や、主治医から就業上の措置などに関する意見を求めるための様式を整備
<治療と職業生活の両立支援の進め方>
- 労働者が事業者に支援を求める申出(主治医による配慮事項などに関する意見書を提出)
- 事業者が必要な措置や配慮について産業医などから意見を聴取
- 事業者が就業上の措置などを決定・実施(「両立支援プラン」の作成が望ましい)
<がんに関する留意事項>
- 治療の長期化や予期せぬ副作用による影響に応じた対応の必要性
- がんの診断を受けた労働者のメンタルヘルス面へ配慮
「脳卒中」に関する留意事項としては、以下の点が強調されている。(抜粋して紹介)
- 1再発等予防・治療のための配慮
- 事業者は、労働者から服薬や通院等に関する申出があった場合には、必要に応じて配慮することが望ましい。
- 経過によって、痛みやしびれなどの症状や記憶力の低下、注意力の低下などが後遺症として残る可能性もあり、就業上の措置を要する場合があることに留意が必要である。事業者は、労働者から体調の悪い旨の申出があった場合には柔軟に対応するなど配慮することが望ましい。
- 2障害特性に応じた配慮
- 事業者は、産業医や保健師、看護師等の産業保健スタッフ等と連携するなどして、障害の程度や内容に応じて、作業転換等の就業上の措置を行うことが求められる。
- 3復職後の職場適応とメンタルヘルス
- 職場復帰後、発症前の自身とのギャップに悩み、メンタルヘルス不調に陥る場合もある。メンタルヘルス不調は、職場復帰の直後だけではなく、数か月後に生じる場合もある点に注意が必要である。
詳しくは、下記の厚生労働省Webサイト参照
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000115267.html
- ※この記事内容は公開当時の情報です。ご留意ください。