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2017/05/18

一般ナースが行うスキンケアのスタンダード技術が公開
日本創傷・オストミー・失禁管理学会編集による新刊発行

高齢化が急速に進む我が国では、加齢による皮膚の老化に伴ってドライスキンやスキン-テアなどのスキントラブルへの対応が重要になってきている。スキンケアは、皮膚・排泄ケア認定看護師による専門的なケアではなく、一般ナースが日常ケアの中で行う保清ケアの一つである。一般社団法人日本創傷・オストミー・失禁管理学会では、スキンケアの基本的知識と標準的な技術を網羅した『スキンケアガイドブック』を編集して発刊した。真田弘美理事長は本書の序で、「これまで皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCN)が専門的に行ってきた褥瘡、スキン-テア、IAD(失禁関連皮膚炎)などの皮膚のケアは、(中略)高度な専門的技術から、ある一定の教育を受けた看護師の日常業務へと変化していくことでしょう。つまり、どのような施設においても病棟単位で、あるいは訪問看護ステーション単位で、これら高齢者のスキンケアが行えるナースが必要とされる時代が来ているのです」と述べている。

本書は「基礎編」と「実践編」に分かれており、「基礎編」では、皮膚の解剖生理と基本的なアセスメント方法、スキンケアの基本技術、さらに、乾燥(ドライスキン)、掻痒、浸軟、肥厚(表皮肥厚・過角化)、浮腫、黄疸などの徴候別の見方を紹介している。「実践編」ではさらに、「ハイリスク患者のスキンケア」と「皮膚障害別スキンケア」に分かれている。ハイリスク患者としては、高齢者、低出生体重児、糖尿病、透析、がん患者(化学療法、放射線療法、GVHD(移植片対宿主病))、低栄養、エンドオブライフ、免疫不全などの特殊な状態のスキンケアを詳述している。皮膚障害別では、褥瘡、失禁、ストーマ周囲、足病、リンパ浮腫、医療関連機器圧迫創傷、熱傷などのスキンケアを紹介している。スキンケアの基本は、洗浄・保護・保湿だが、疾患や治療・看護の方法によって皮膚の状態はさまざまであるため、皮膚トラブルへのケアは多種多様である。そうした臨床的なバラエティさに対応した実践書となっている。

同学会では、この6月から「臨床スキンケア看護師」の認定資格制度に取り組み始める。資格認定には一定の講習と演習が義務づけられ、講習会のテキストとして本書が指定されている。同資格が一般ナースの技術的なアイデンティティの一つとして臨床現場に浸透し、定着していくことが期待される。

『スキンケアガイドブック』

一般社団法人日本創傷・オストミー・失禁管理学会編集

B5判/320頁/オールカラー

発行:照林社

詳しくは、下記の日本創傷・オストミー・失禁管理学会Webサイト参照

  • ※この記事内容は公開当時の情報です。ご留意ください。

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