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2017/06/21

来年度予算、診療報酬・介護報酬同時改定に対して看護協会が要望

日本看護協会は、厚生労働省に対して、来年度の予算編成に関する5項目の要望書を提出した。国をあげて地域包括ケアシステムの構築が推進されるなかで、在宅・介護領域において看護職がより専門性を生かして効果的に役割を果たせるための以下の要望である。

  1. 1介護施設等における外部の専門性の高い看護師によるコンサルテーション・技術指導の導入
  2. 2「特別養護老人ホーム看護指導者養成研修 フォローアップ研修」の実施
  3. 3特別養護老人ホーム等における医療安全の更なる確保・推進
  4. 4認知症初期集中支援チームの活動推進
  5. 5介護分野における看護職員へのハラスメントに関する実態把握と防止対策の推進

要望1では、褥瘡や糖尿病、認知症のケア、感染管理等について、外部の医療機関等にいる専門性の高い看護師からコンサルテーション・技術指導を受けるモデル事業を実施したいというもの。現在の診療報酬上では、緩和ケアと褥瘡ケアにおいて「専門性の高い看護師と訪問看護師との同日訪問」が評価されているが、その訪問先および対象となる疾患・状態像の拡大を検討するように要望している。ここで言う「専門性の高い看護師」とは、認定看護師、専門看護師のことである。近年、特別養護老人ホームにおいて、「医療ニーズの高い」入所者が増えているという実態を踏まえた。具体的には、経管栄養法(胃ろうを含む)、インスリン療法、吸引(口腔・鼻腔・気管内のいずれか)、尿道留置カテーテル、褥瘡処置、末梢静脈注射(点滴など)、酸素療法(HOT含む)等である。

要望4では、認知症初期集中支援チームの活動を推進するため、(1)認知症に専門的な知見を有する人材の広域派遣事業、(2)困難事例等への対応を強化するための研修整備の実施を要望している。これも、認知症看護認定看護師や老人看護専門看護師等の専門職人材の広域派遣である。

要望5においては、実際に訪問看護師の暴力被害の状況が報告されていること、訪問系サービスでは従事者が単独で利用者宅を訪れることも多く密室での事態となることから、ハラスメント防止への対応が難しいことを踏まえている。施設においても看護職員に対する患者・利用者・家族等からのハラスメントは従来から報告されていたが、昨今その度合いが苛烈となって看護職員の心理的な安全を脅かしメンタルヘルスを損なう一因となっていることが挙げられる。

また、同会では、平成30年度診療報酬・介護報酬同時改定に向けても要望書を提出して、医療と介護をつなぐ看護機能の強化を求めた。医療・介護提供体制の改革が大きく動いているなか、患者をより良い状態で在宅医療へ移行するために、医療・介護をつなぐ看護機能の強化が重要として、特に訪問看護の充実と地域医療支援病院の機能強化を訴えた。また、特定行為研修を修了した看護師については、その専門性を活かして看護実践を行った場合、診療報酬上の評価を検討してほしいことも挙げている。
主な要望項目は以下のようなもの。

  1. 1効果的・効率的な医療の実現のためには、看護がその機能を最大限に発揮することが重要なことから、必要な分野・領域において看護師配置を充実させるなど、体制強化につながる評価を拡充されたい。
  2. 2患者がよりよい状態を保ちながら入院医療から在宅医療へ移行するために、訪問看護等看護職が担っている医療と介護をつなぐ機能について、強化・推進されたい。
  3. 3患者にとって安全・安心な医療・看護を提供するために、地域における医療安全に資する評価を拡充されたい。
  4. 4一億総活躍社会の実現に向け、日本の医療・介護提供体制を支える看護職員にとって良好な労働環境が確保されるよう、診療報酬上の評価の維持・充実を図られたい。

これらの要望に対して厚生労働省の的確な対応が期待される。

詳しくは、以下の日本看護協会Webサイト参照

・2017年5月17日付プレスリリース「厚労省老健局へ要望書を提出 在宅・介護領域の看護体制の整備求める」

・2017年5月19日付プレスリリース「平成30年度同時改定に向け厚労省保険局へ要望 医療と介護をつなぐ看護機能の強化を求める」

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