2017/09/20
エビデンスに基づいた感染対策のバイブルともいえるのが「CDCガイドライン」だが、CDC(米国疾病管理予防センター)では、「手術部位感染予防のためのガイドライン」を18年ぶりに改訂した。当ガイドラインの作成者らは、「これらの勧告に基づく手術戦略を用いることで、手術部位感染(SSI:surgical site infection)のおよそ半分が予防可能と推定される」と述べている。当ガイドラインは、外科手術全般のSSI予防のための勧告を含む「コアセクション」と人工関節置換術に適用される勧告を含む「人工関節置換術セクション」によって構成されている。カテゴリー別の勧告としては、「カテゴリーI A」8件、「カテゴリーI B」4件、「カテゴリーII」5件、「勧告なし/未解決問題」25件となっている。主なものを紹介しよう。
消毒薬予防
予防抗菌薬
酸素化
注目すべきは、術中にヨードホール水溶液で洗浄することを推奨していることだ。これは、WHO(世界保健機関)が昨年示したSSIに関するガイドラインでも推奨されている。わが国では、ヨードホール水溶液による創部洗浄はあまり見られない。切開創をヨードホール水溶液で洗浄すれば、ヨウ素によって創部を治癒させるために必要な細胞も殺してしまうと心配されているためと言われる。今後、わが国でヨードホール水溶液による創部洗浄が実施されていくかどうか、わが国特有の状況を鑑みながら注視していきたい。
詳しくは、下記のCenters for Disease Control and Prevention Guideline for the Prevention of Surgical Site Infection, 2017.のWebサイト参照
http://jamanetwork.com/journals/jamasurgery/fullarticle/2623725
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