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2017/10/11

危ない!カリウム製剤投与間違い防止に、日本看護協会が本格的取り組み

カリウム製剤は、投与量や投与方法を間違うと不整脈や心停止などを起こすことがあるため、ハイリスク薬とされており、注意喚起や製剤の工夫などの取り組みがなされている。国や医療関係団体が注意喚起を行ってきたが、事故は依然としてなくならない。それを受けて、公益社団法人日本看護協会では、一般社団法人日本病院薬剤師会と共同して、「カリウム製剤投与間違い撲滅キャンペーン」に取り組み始めた。医療関係者に対して以下のように広く呼びかけ、ポスターなどを使って、カリウム製剤の投与間違いの撲滅と死亡事故「ゼロ」を目指すという。

カリウム製剤投与間違いの撲滅にむけて、あなたの施設のリスクを見出し、行動をはじめましょう!
カリウム製剤の投与間違いの撲滅には、一律の方策でなく、自施設で提供する医療の特徴や体制の違いに応じた対策を検討し、講じることが必要です。施設ごとのリスクを自己点検により見出し、解決しなければ、投与間違いはなくなりません。今一度、どうしたら投与間違いを防げるかについて考え、組織を挙げて行動しましょう。

公益財団法人日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業では、報告義務対象医療機関と参加登録申請医療機関から医療事故情報やヒヤリ・ハット事例の報告を収集・分析している。実際に重大事故として現れるのは氷山の一角であり、その下には軽微な事故やヒヤリ・ハットが隠れているといわれているため、重大事故の背景に潜んでいる、事故に至らなかった危険な状況をしっかりと受け止める必要を強調している。

当事業の医療安全情報No.98(平成27年1月公表)でも、「カリウム製剤の投与方法間違い」を取り上げ、注意喚起を行っている。カリウム製剤の急速静注に関連した事例は、事業開始(平成16年10月)から平成26年12月 までの期間において7件報告されている(表1)。報告された事例から言えることは、カリウム製剤の急速静注は禁止であることだけでなく、なぜ禁止なのか、急速静注したらどうなるのかということまで含めた十分な知識を持つこと、投与方法・投与速度の指示を明確にすること、少しでも不明な点があれば確認するように習慣づけることの重要性が示唆されている。カリウム製剤によって販売名や薬液の色が異なることにも注意する必要がある。

表1 医療事故情報収集等事業に報告のあったカリウム製剤の急速静注に関連した事例

発生年 2004年~2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 合計
報告件数 0 1 0 3 0 1 2 7

引用:公益財団法人日本医療機能評価機構 医療事故防止事業部:医療事故情報収集等事業 第40回報告書(平成26年10月~12月)・平成27年3月26日

日本看護協会の啓蒙のためのポスター
詳しくは、下記の各Webサイト参照
  • ※この記事内容は公開当時の情報です。ご留意ください。

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