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2017/11/08

医療安全対策に医師の「専従」は必要か?―中医協で議論

医療安全対策加算は、組織的な医療安全対策を行っている医療機関を評価する診療報酬上の加算で、現在約3500の医療機関が算定している(図1)。入院中1回に限り、入院初日に算定でき、2段階の加算が設定されている。加算1(85点)、加算2(35点)の違いは施設基準で定められており(表1)、加算1では「医療安全対策に係る研修を受けた専従の薬剤師、看護師等が医療安全管理者として配置されていること」が要件となっている一方、加算2(35点)では、薬剤師、看護師等の配置は専任でよい。「専従」と「専任」では「専任」のほうがゆるい基準だ。おおまかに言うと、「専従」は「他の業務と兼務することは認められない」が、「専任」は「担当業務以外の業務を多少兼務することは差し支えない」とされている。

図1 医療安全対策加算の届出医療機関の推移

出典:届出医療機関数:保険局医療課調べ(平成27年7月)

算定回数:社会医療診療行為別統計・調査(各年6月審査分)

表1 医療安全対策加算の施設基準の概要

<医療安全対策加算1>

イ 医療安全対策に係る研修を受けた専従の薬剤師、看護師等が医療安全管理者として配置されていること。

ロ 当該保険医療機関内に医療安全管理部門を設置し、組織的に医療安全対策を実施する体制が整備されていること。

ハ 当該保険医療機関内に患者相談窓口を設置していること。

<医療安全対策加算2>

イ 医療安全対策に係る研修を受けた専任の薬剤師、看護師等が医療安全管理者として配置されていること。

○ 医療安全対策加算1のロ及びハ。

一方、2016年の医療法施行規則改正では、特定機能病院に「専従」の医師、薬剤師、看護師を配置した医療安全管理部門の設置が義務づけられた。これは、2016年度厚生労働科研「医療安全管理部門への医師の関与と医療安全体制向上に関する研究」による全国1142病院への調査によって検証された結果に基づいている。この調査では、「医師の専従あり」は1142病院中47病院(4.1%)で、400床以上の場合、病床当たりのインシデント・アクシデント報告数は6.7件/床で、それ以外の病院よりも多かった。これらのことから、「専従」の医師がいる病院では、医療事故調査において有効な再発予防策を立案するなど、より高度な医療安全体制を取っていることが示されたのだ。

こうした結果を踏まえ、中央社会保険医療協議会総会(中医協)は10月11日、2018年度診療報酬改定に向けて、医療安全対策の取り組みへの評価のあり方を議論するなかで、医療安全対策加算の評価の見直しが提案された。しかし、委員からは、医師を「専従」で配置する必要があるかどうか、限られた医療資源を有効活用する観点から専従配置が必要か検討すべきであるなど、慎重な対応を求める意見が相次いだ。

詳しくは、下記の厚生労働省Webサイト「中央社会保険医療協議会 総会(第363回)議事次第」参照

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