2017/11/22
平成27年10月1日に施行された医療事故調査制度は、医療事故が発生した医療機関において院内調査を行い、その調査報告を民間の第三者機関(日本医療安全調査機構)が収集・分析することで再発防止につなげることを目的としている。
日本医療安全調査機構は10月10日、今年9月末の現況を公表した。医療事故として報告された件数は35件、2015年10月の医療事故調査制度の開始から2年間の総数は計751件だった。当初見込まれていた報告件数「1300~2000件」の2割弱~3割弱にとどまる。報告件数の詳細は、2015年10月~2016年3月:187件、2016年4月~9月:201件、2016年10月~2017年3月:180件、2017年4月~9月:183件と推移している。診療科別の報告件数は、外科127件、内科96件、消化器科64件、整形外科59件、循環器内科51件、心臓血管外科44件、産婦人科44件、脳神経外科43件の順となっている。報告後に院内調査を行った結果報告の2年間の件数は、事故報告された751件の63.4%に当たる476件であったという。
さらに、医療事故に関連して、日本医療機能評価機構が新たに注意喚起したのが「インスリン単位の誤解」である。インスリン1単位(0.01mL)を1mLと誤解していたために患者への過剰投与が発生した事例について医療機関に注意を促している。
医療安全情報No.131として報告された事例は2つ。そのうち1つは看護師の誤解によるものだった。看護師がインスリン4単位を患者に投与する際、専用の注射器があることは知っていたが、インスリン1単位を1mLと誤解していたため、5mLの注射器に100倍量である4mL(400単位)を準備し、皮下注射してしまったケースだ。「インスリンのバイアル製剤は、100単位/mLに濃度が統一されており、1単位は0.01mLである」と呼びかけている。
詳しくは、下記の各Webサイト参照
・日本医療安全調査機構「医療事故調査制度の現況報告(9 月)」
https://www.medsafe.or.jp/uploads/uploads/files/houdoushiryo20171010.pdf
・日本医療機能評価機構「医療安全情報No.131 インスリン単位の誤解(第2報)」
http://www.med-safe.jp/pdf/med-safe_131.pdf
×close
×close