2017/12/20
わが国の政府の基本方針としてさまざまな領域での規制緩和が進んでいるが、経済産業省では、事業者が新事業活動を行うにあたり、あらかじめ規制適用の有無について政府に照会している。政府は照会された事業内容について、規制の適用の有無を回答することとなっている。このたび、産業競争力強化法に基づく「グレーゾーン解消制度」について、経済産業省所管の事業分野の企業からの照会に対して政府が回答した。これによって、高齢者介護施設の入居者に対する「いわゆるフットケア」などの行為を医師以外の職種が行うことが可能となり、注目を集めている。
これは、事業者が高齢者介護施設と業務提携契約を行い、医師が施設入居者の身体状態を確認した上で、治療の必要がないと判断した部位に対して医師以外の者が下記の行為を行えるかどうかが照会されたというものだ。ただし、医師は事業者に対して書面で情報共有する必要がある。
①巻き爪や爪の肥厚の予防的ケア
②皮膚の乾燥ケア
③足部の角質肥厚の予防的ケア
④足部の清潔ケアを行うサービス
これらの行為は医師法第17条の規定に抵触するかどうかという照会に対して、関係省庁で検討された結果、以下のような回答がされた。
利用者の身体のうち医師が治療の必要がないと判断した部位に対して、(1)軽度のカーブ又は軽度の肥厚を有する爪について、爪切りで切ること及び爪ヤスリでやすりがけすること、(2)下腿と足部に医薬品ではない保湿クリームを塗布すること、(3)軽度の角質の肥厚を有する足部について、グラインダーで角質を除去すること、(4)足浴を実施することについては、医師法第17条の規定に違反しない
高齢者介護施設に入居する高齢者において、足部の異常によって歩行が困難になり要介護度が増す事例が発生していることから、こうしたグレーゾーン解消制度の活用によって、高齢者の足部の異常の予防につながるフットケアサービスの導入が進むことが期待されると公表された。フットケアサービスに携わる医師以外の職種にとっては、これまで「グレーゾーン」として行われていたこうした行為が国から認められた形になり、高齢者介護施設での「フットケア」がますます充実することが期待される。
詳しくは、下記の経済産業省Webサイト参照
http://www.meti.go.jp/press/2017/11/20171120002/20171120002.html
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