2018/5/9
経腸栄養のバッグとチューブをつなぐコネクタの誤接続防止のために、国際規格に準じたものへの切り替えが促されている。ただ、新規製品と既存の製品が混在する時期が出てくるため、事故発生が危惧されている。新規格製品と既存規格製品とが併存する期間に、機器を留置したまま施設を移る患者も少なくないため、機器同士の非嵌合によって接続できない事態が考えられるということだ。それを避けるためには、接続用の変換コネクタを準備する必要があるだろう。そこで、厚生労働省では3月16日に、こうした内容の通知「経腸栄養分野の小口径コネクタ製品の切替えについて」を出した。
コネクタの国際規格への切り替えは、経腸栄養関連に限らない。そのため、医療現場で使用するさまざまなチューブ・ラインの誤接続による事故が起こりがちである。例えば、経腸栄養剤を誤って血管内に注入してしまうなどの事故である。そこで、製品分野間の相互接続を防止するコネクタに係る国際規格(ISO(IEC)80369シリーズ:新規格)の制定が進められていた。
この新規格では、ベッドサイドで起こりうるコネクタ接続を、①呼吸器システム及び気体移送、②経腸栄養、③皮下注射及び血管系等、④神経麻酔(脊椎麻酔、硬膜外麻酔及び神経ブロック)、⑤四肢のカフ拡張、⑥泌尿器—の6種類に分類し、異なる種類間では相互接続できないように形状を規定したものだ。
今回の経腸栄養関連のコネクタでは、従来の「オス」「メス」が逆になる。つまり、今までは上流のコネクタが「オス」、下流が「メス」だったものが、上流が「メス」、下流が「オス」になる(図)。既存規格製品の製造販売業者は、日本工業規格の改正日以降、既存規格製品から新規格製品への変更に必要な手続きを速やかに行うことが求められている。そして、医療現場での新規格製品への切り替えを速やかに進めるため、既存規格製品の出荷期間は「2021年11月末(日本工業規格の改正された日から3年6か月を経過した月末予定)まで」と限定された。さらに、医療機関等で新規格製品と既存規格製品とが混在してしまうことを避けるために、製造販売業者は「2019年12月以降に新規格製品の出荷を開始する」ことが望ましいとされている。
引用:https://www.jslm.org/others/news/20180323_conect.pdf
詳しくは、下記の日本臨床検査医学会Webサイト参照
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