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2018/5/24

在宅での適応が加わった「経肛門的自己洗腸」の施行に学会が注意喚起

「経肛門的自己洗腸」は、医学的には「経肛門的洗腸療法(transanal irrigation)」や「逆行性洗腸法(retrograde colonic irrigation)」と言われるものだ。わが国では、平成28年10月に、経肛門的洗腸療法に使用可能な器具としてペリスティーン® アナルイリゲーションシステムが薬事認証されて、今年度の診療報酬改定で「在宅経肛門的自己洗腸指導管理料」(C119 在宅経肛門的自己洗腸指導管理料 950点)が新設された。

この療法は、1~2日に1回、300~1,000mlの微温湯を経肛門的に直腸に注入し、直腸と左側結腸を可及的に空虚化することによって、便失禁を防いだり便秘症状を改善したりする治療法だ。洗腸には手間と時間がかかるため、重症の便失禁や便秘症の患者が適応となる。特に、便失禁と便秘症の両症状を有することが多い二分脊椎症などの小児や脊髄障害患者に用いられることが多い。

ただし、専門的な治療法であり十分な教育が必要であることから、日本大腸肛門病学会では経肛門的洗腸療法を安全に普及することを目的として、2018年3月19日「経肛門的自己洗腸の適応及び指導管理に関する指針(経肛門洗腸療法について)」を公表した。そして、より安全性を担保するために、医師主導型臨床研究に参加した経肛門的洗腸療法の経験を持つ医師らによって、経肛門的洗腸療法講習実行委員会を発足させ、本指針に従って日本大腸肛門病学会ストーマ・排泄リハビリテーション委員会の監修のもとで講習会を開催することとしている。経肛門的洗腸療法を実施する際には、講習会を含めた全3回の経肛門的洗腸療法実施施設向けトレーニングを受講すること、あるいは経肛門的洗腸療法の十分な経験を有する者による指導を受けることを推奨している。

この療法では、1回の経肛門的洗腸療法によって直腸から下行結腸までの便を排出することで、新たな便が直腸に到達するまでの1~2日間、便失禁を防ぐことができる。そのため、患者自身で排便時間、場所をコントロールすることができ、予測可能な排便管理を実施することが期待できるとされている。

経肛門的洗腸療法の医学的適応について、日本大腸肛門病学会の『便失禁診療ガイドライン』では、以下のように記載されている。
「洗腸には手間と時間がかかるため、重症の便失禁や便秘症の患者が適応であり、便失禁と便秘症の両症状を有することが多い脊髄障害患者や二分脊椎症などの小児に用いられることが多いが、高度な排便障害を呈する低位前方切除後の排便障害(低位前方切除後症候群:LARS)にも有用である。」

「保険適用:経肛門的洗腸療法の保険適用(2018年4月より適用開始)は、3か月以上の保存的治療によっても十分な改善を得られない、脊髄障害を原因とする排便障害を有する患者(直腸手術後の患者を除く。)である。 直腸癌術後の排便障害(低位前方切除後症候群)や直腸脱術後などの「直腸手術の既往のある患者」は、大腸穿孔への危惧のために保険適用から除外されていること、また脊髄障害に起因しない難治性の便失禁及び便秘に関しても、保険適用とされていないことに留意する必要がある。」
「 警告:本製品は、関連学会が定める指針に従い、指針に定める講習会を受講した上で使用すること。」

詳しくは、下記の日本大腸肛門病学会Webサイト参照

http://www.coloproctology.gr.jp/news/archives/96

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