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2018/8/23

医療広告に関するガイドラインに新たに34項目のQ&Aを追加
:特定行為研修修了は広告できないことに

医療機関の広告については、患者等の利用者保護の観点からある程度制限がされてきた一方、医療機関のウェブサイトに関しては原則として規制対象にしないで、関係団体による自主規制を促してきた。しかし、美容医療に関する広告についての相談が相次いだことから、医療機関のウェブサイトについても他の広告媒体と同様に規制の対象とし、虚偽または誇大表示を禁止した。これらは、厚生労働省が示す「医療広告ガイドラインに関するQ&A」で規定されていたが、今回、厚生労働省の「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」(座長=桐野高明・佐賀県医療センター好生館理事長)では、医療法の改正を反映した改訂案を大筋で了承し、新たに34項目のQ&Aを追加した。追加される項目のうち、特に興味深いものについて簡略化して示そう。

Q 「最先端の医療」や「最適の医療」などの広告をすることは可能か?
A 「最先端」や「最適」の表現は、誇大広告に該当するため広告できない。

Q 医療機関のウェブサイト上の口コミ情報は、医療広告規制対象か?
A 患者等の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談は、今回新たに規定された広告禁止事項である。特に、当該医療機関にとって便益を与えるような感想等を取捨選択し掲載するなどして強調することは、虚偽・誇大に当たるため、広告できない。

Q 医療機関の口コミ情報ランキングサイトについては、医療広告規制対象か?
A ランキングを装って、医療機関の口コミ(体験談)等に基づき、医療機関にランキングを付すなど、特定の医療機関を強調している場合は、比較優良広告に該当する可能性があり、広告できない。

Q フェイスブックやツイッターといったSNSで医療機関の治療等の内容又は効果に関する感想を述べた場合は、広告に該当するか?
A 個人が運営するウェブサイト、SNSの個人のページ及び第三者が運営するいわゆる口コミサイト等への体験談の掲載については、医療機関が広告料等の費用負担等の便宜を図って掲載を依頼しているなどによる誘引性が認められない場合は、広告に該当しない。

Q 治療効果に関する内容について、ウェブサイトでは広告可能か?
A 治療の効果に関する内容については、広告可能事項ではないため広告できない。なお、患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトなどについては、広告可能事項の限定解除要件を満たした場合には、広告可能事項の限定を解除可能となるが、求められれば裏付けとなる根拠を示し、客観的に実証できる必要がある。

Q 特定行為研修を受けた看護師である旨は広告可能か?
A 現時点において、一般に、研修については、研修の実施主体やその内容が様々であり、医療に関する適切な選択に資するものとそうでないものとの判断が困難であることから、広告できない。ただし、患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトについては、広告可能事項の限定解除要件を満たした場合には、広告可能事項の限定を解除可能となる。なお、研修を受けた旨や専門性に関する医療広告の取り扱いについては検討予定である。

同検討会では、医療機能情報提供制度についても議論し、厚生労働省は医療機関から都道府県への報告事項の見直し案を取りまとめる考えを示している。

詳しくは、下記の厚生労働省各Webサイト参照
・医療法における病院等の広告規制について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index.html

・医療広告ガイドラインに関するQ&A(案)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000213349.pdf

  • ※この記事内容は公開当時の情報です。ご留意ください。

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