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2018/8/29

「膀胱留置カテーテル」の取り扱い時の注意点を喚起

独立行政法人医薬品医療機器総合機構では、報告された事例をもとに「膀胱留置カテーテル」の取扱い時の注意点をまとめて公表した。報告された事例は、「膀胱留置カテーテル」を挿入した際に、尿の流出はなかったが抵抗なく挿入できたため、固定水を注入したところ、「膀胱留置カテーテル内」に血液を認めたというものだ。この事例では、実際は尿道損傷を起こしていた。これに対して、「バルーン拡張前に、必ずカテーテルへの尿の流出を確認すること」、「カテーテルへの尿の流出が確認できたら、さらに奥へ挿入してからバルーンを拡張すること」、「尿道内でバルーンを拡張してしまった場合、尿道損傷を招くおそれがあること」を指摘している。

膀胱留置カテーテルへの尿の流出が確認できない場合には、原因に応じて下記の表のような対処法を行うこととされている。

膀胱留置カテーテルへの尿の流出が確認できない場合の対処法

・恥骨上部を圧迫する カテーテルの先端位置が不適切であったり、膀胱の収縮力が低下している可能性があるため、恥骨上部を圧迫する
・カテーテルを少し引く カテーテルの先端が膀胱壁に当たっている可能性があるため、カテーテルを少し引き、膀胱壁から離す
・いったん抜去し、尿が溜まるまで待つ 尿量が少ない可能性があるため、カテーテルをいったん抜去し、尿が溜まるまで待ってから新しいカテーテルを再挿入する

医薬品医療機器総合機構では、正しい手順で実施してもバルーン拡張時に抵抗を感じた場合は、手技を中断することを喚起している。さらに、手技に難渋した場合は無理をせずに手技を中断し、泌尿器科医や経験豊富な医療従事者に相談することとしている。

なお、日本医療機能評価機構の「医療事故情報収集等事業第47回報告書(2016年7月~9月)」によると、本件と同様の「膀胱留置カテーテルによる尿道損傷」は、2013年~2016年において34件あった。同報告書では、「尿の流出を確認せずに、バルーン内に滅菌蒸留水を注入した理由」を下記のようにまとめている。

バルーン内に注入した理由 件数
抵抗なく規定の長さを挿入できた 15
排尿直後や禁食中であったため、膀胱内に尿が溜まっていないと考えた 5
膀胱を腹部エコーで確認した際に尿が溜まっていなかったため、尿の流出がないと考えた 1
以前、女性患者の膀胱留置カテーテルを挿入した際に、先輩看護師から「尿の流出が無くてもバルーンを膨らませても大丈夫」と言われたことを思い出した 1
他の看護師に相談したところ「直前に排尿していると尿が出ないこともあるので、とりあえず、固定してもいいのでは」と助言を受けた 1
医師に尿の流出がないことを報告したが、滅菌蒸留水を注入してよいと指示があった 1
ショック状態であったため、尿の流出がないことに疑問を持たなかった 1
潤滑剤を少量の尿だと思った 1
15cm挿入したところでカテーテルが進まなくなったため、とりあえず注入した 1
研修医は、カテーテルが途中で進まなくなったため手を止めて、膀胱に入っていないだろうと考えていたところ、看護師は医師の手が止まったため膀胱内に入ったと思った 1
不明 5

こうした結果を踏まえ、「膀胱留置カテーテルが膀胱に入ったことを確認できるのは尿の流出によってのみであり、挿入後に尿の流出がない場合は、バルーンは拡張しないことを徹底することが重要」としている。 事例を報告した医療機関34件のうち、膀胱留置カテーテルの挿入時の手順書がない機関は17件であった。同報告書では、院内のマニュアルや手順書などを確認し、「膀胱留置カテーテルの挿入時の注意事項」を改めて認識する必要があることを強調している。

詳しくは、下記の各Webサイト参照

・独立行政法人医薬品医療機器総合機構

https://www.pmda.go.jp/files/000226090.pdf

・公益財団法人日本医療機能評価機構

http://www.med-safe.jp/pdf/report_2016_3_R002.pdf

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