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2018/9/27

職場のストレスでメタボリックシンドロームの発症リスクが高まる

職場における好ましくない心理社会的要因が、労働者のメタボリックシンドローム発症のリスクを1.4倍に高める――。このような研究内容が、北里大学医学部公衆衛生学の堤明純教授、東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野の川上憲人教授および渡辺和広助教らの研究グループによって明らかにされた。

メタボリックシンドロームとは、内臓肥満に、高血圧、高血糖、血中脂質異常等の症候が同時に重なったもので、循環器疾患、糖尿病および全死亡等の重要なリスク要因となる。また、職場における好ましくない心理社会的要因(仕事の量的負担の多さ、裁量権の低さ、上司や同僚からの支援の低さ、交代制勤務および長時間労働等)は、循環器疾患および高血圧や肥満のリスク要因となると知られている。本研究では、好ましくない職場の心理社会的要因が、メタボリックシンドロームの発症のリスク要因であることをメタ分析で示している。

同研究グループは、学術論文データベースを使用し、職場の心理社会的要因を網羅した検索語を作成して世界中の論文を検索した。組み入れた論文の基準は以下の4つとした。

(1)職場の心理社会的要因と、その後のメタボリックシンドロームの発症との関連を前向きな研究デザインで検討していること
(2)労働者を対象としていること
(3)メタ分析に必要な相対リスク等の値を報告していること
(4)2016年までに英語、または日本語で書かれた原著論文として出版されていること

抽出された4,664編の論文のうち8編が上記の基準に該当していた。その結果、職場における好ましくない心理社会的要因に曝されている労働者のメタボリックシンドロームの発症は、そうでない労働者に比べて47%増加すると見積もられた(相対リスク1.47; 95%信頼区間1.22-1.78)。特に質の高い研究のみを統合した場合の相対リスクは40%増加した。

心理社会的な要因のなかでは、仕事のストレイン(仕事の要求度と裁量の自由度の高低により分類される作業の特性)と交代制勤務が多く研究されており、メタボリックシンドロームの発症との関連も深いことがわかった。

今回の研究について同研究グループは、「現時点で、職場の好ましくない心理社会的要因のメタボリックシンドローム発症への影響を量的に検証した最もエビデンスレベルの高い研究であるといえる。本研究の成果により、職場の心理社会的要因が労働者の循環器疾患発症を引き起こす生物学的な機序についての研究が進むことが期待される」と述べている。

詳しくは、北里大学のWebサイト参照。

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