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2018/11/16

「全身持久力」の維持が、高血圧の発症リスクを下げる

東北大学は、厚生労働省が設定した「全身持久力」の基準を継続的に達成すると、高血圧の発症リスクが低くなると発表した。この研究は、東北大学大学院医学系研究科の門間陽樹講師と同大学院医工学研究科の永富良一教授が、東京ガス株式会社および医薬基盤・健康・栄養研究所と共同で行ったものだ。

全身持久力とは体力を構成する要素の1つで、一般的には持久力やスタミナなどと呼ばれ、ランニングやジョギングなどの有酸素運動によって高めることができる。高血圧の予防には、この全身持久力を高く保つことが有効であるとされている。全身持久力の参考値には厚生労働省が定めた「健康づくりのための身体活動基準2013」があり、これには全身持久力だけでなく、生活習慣病等の発症リスクを低減させるために、個人にとって達成することが望ましい身体活動(生活活動・運動)の基準が設定されている。

本調査の対象は、追跡開始時点およびそれ以前に全身持久力を測定した高血圧ではない男性6,653人で、最大23年間追跡した。その結果、追跡開始時に基準を達成していたグループは基準を達成していなかったグループと比べて、高血圧の発症リスクが約21%低いことがわかった。

また、追跡開始前の6年間における基準達成回数(年に1回測定)を算出し、高血圧の発症リスクを比較した結果、基準の達成回数が多いほど高血圧の発症リスクは低い値を示した。加えて、基準の達成回数が3回以上になると、高血圧の発症リスクに明確な違いが見られたという(下表を参照)。

■全身持久力の基準の達成回数と高血圧の発症リスク

今回の調査結果では、全身持久力の基準を継続的に(6年間で3回以上)達成すると、高血圧の予防につながる可能性があることが明らかになった。同研究グループは、「高血圧の予防に対して、『健康づくりのための身体活動基準2013』で設定されている全身持久力の基準が妥当であることを支持する結果を示しており、運動指導や保健指導等の現場で役立つ重要な報告です」と述べている。

詳しくは、下記の東北大学Webサイト参照

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