2019/1/31
日本看護協会の認定看護師制度の成り行きに注目している看護師は多いだろう。現在、認定看護師として活動している人も、これから認定看護師資格を目指している人も、新たな認定看護師制度への関心は高い。今回公表された「新たな認定看護師制度の制度設計」及び「認定看護分野」を見てみよう。
認定看護師制度は1995年に発足し、今までに1万9,000人以上の認定看護師が誕生している。日本看護協会は、2015年に公表した「2025年に向けた看護の挑戦 看護の将来ビジョン~いのち・暮らし・尊厳をまもり支える看護~」のなかで、これから期待される看護師は、急性期医療に加えて在宅医療まで支えられる人材、また地域・施設間の連携に参画できる人材であるとした。このビジョンのもと、「あらゆる場で看護を必要とする人に、水準の高い看護実践を提供すること」を目的として、新たな認定看護師制度の構築が進められてきた。
新たな認定看護師制度の最大の特徴は、2015年から始まった「特定行為研修」が組み込まれている点だ。特定行為研修を修了すると、医師の診療の補助として手順書に基づいて「特定行為」を行うことができる。そのためには、実践的な理解力・思考力・判断力と、高度かつ専門的な知識と技能の向上が必要とされている。なお、特定行為研修は現在、研修内容や時間が見直され、受講しやすくなるよう検討されている。
この度、公表された「新たな認定看護師制度」へのスケジュールは図1のとおりである。新たな認定看護師教育は2020年度から始まるため、教育機関の認定審査は2019年度から開始される。新たな認定看護師が誕生するのは2021年度からだ。現行の認定看護師からの移行措置については、表1のようにまとめられている。
図1 新たな認定看護師制度における教育と認定の開始・現行の認定看護師教育機関及び認定看護師に対する経過措置及び移行措置
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表1 現行の認定看護師からの移行措置
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資格の名称は改定後も「認定看護師」とされる。
なお、新たな認定看護師には、特定行為を修了した認定看護師という意味において、「特定認定看護師」を名乗ることができる。
また、認定看護分野の再編成は非常に注目されてきた。現行の認定看護分野21分野は、新たな認定看護師制度では19分野となることが決まった。現行の「緩和ケア」「がん性疼痛看護」が「緩和ケア」へと統合され、「救急看護」「集中ケア」が「クリティカルケア」へと統合された。現行の認定看護師も更新が継続されるため、認定分野は合わせて31分野となる(表2)。
表2 認定看護分野一覧(31分野)
■2020年度以降、特定行為研修を組み込んだ新たな認定看護師教育を開始する分野(10分野)
■現行の認定看護師教育を2026年まで実施し、かつ、2020年度以降、特定行為研修を組み込んだ新たな認定看護師教育を開始する分野(9分野)
■現行の認定看護師教育を2026年まで実施する分野(12分野)。ただし、当該分野の個人の資格については永続的に更新が可能
詳しくは、下記の日本看護協会Webサイト参照
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