2021/7/20
超高齢社会に伴い、慢性疾患患者が増加するなど疾病構造が多様化し、多死社会を迎えつつあるわが国において、非がん患者の人生の最終段階(エンドオブライフ、EOL)における医療・ケアの重要性が高まっている。
そんな中、2021年5月、国立研究開発法人国立長寿医療研究センターが東京大学加齢医学講座とともに進めてきた研究をもとに「非がん疾患のエンドオブライフ・ケア(EOLC)に関するガイドライン」を公表した。本ガイドラインは、システマティック・レビューに基づく国内初のガイドラインである。
本ガイドラインの対象読者は、非がん疾患のEOLCに従事するすべての関係職種(医療介護従事者など)が幅広く想定されている。また、非がんの主疾患として取り上げられているのは、臓器疾患(心・腎・呼吸器疾患)、神経変性症、認知症、脳血管疾患、老衰である。いずれも高齢者に多く、臨床で対応することの多い疾患ばかりである。
これらの疾患におけるEOLCの定義を踏まえ、疼痛症状に対するアセスメントやマネジメント、意思決定支援、家族ケア、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)等について、エビデンスに基づき解説されている。特別臨床課題としてCOVID-19感染症におけるEOLCの意義も検討された。
わが国の非がん疾患患者に対するEOLCはその立ち後れが指摘されてきたが、このガイドラインでは予後評価法や緩和ケア技術、意思決定支援についてエビデンスをもとにした推奨/提言が行われており、質の高いEOLCの実践につながることが期待される。
本ガイドラインは、国立研究開発法人国立長寿医療研究センターのホームページで全文を閲覧することができる。ぜひ参照してほしい。
詳しくは、下記の国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 在宅医療・地域医療連携推進部ホームページへ
https://www.ncgg.go.jp/hospital/overview/organization/zaitaku/news/20210507.html
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