2021/8/4
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、限りある病床数とのせめぎあいが続いている。厚生労働省の発表によると、2021年7月21日0時時点の全国でのCOVID-19療養者数は29,152人となっており、うち10,717人が自宅療養者等、3,886人が療養先調整中となっている(*1)。
医療者の目が届きづらいところで療養生活を送る患者に対しては、急激な症状の悪化リスクに備え、医療者による健康観察等が欠かせない。このような自宅療養者等への支援は、都道府県等の保健所が中心となり、訪問看護師とも連携して行われている。
この度、日本訪問看護財団は、訪問看護師に向けて「新型コロナウイルス感染症訪問看護師による自宅療養者への対応マニュアル(第1版)」を作成した。電話や訪問等で訪問看護師がCOVID-19患者のフォローアップを行う際、適切に、そして安全・安心なかかわりができるよう、実状に沿った必要なポイントをまとめている。
本マニュアルは、以下の項目で構成されている。
Ⅰ.事前の体制整備
Ⅱ.初回訪問までの準備
Ⅲ.訪問
Ⅳ.隔離解除 or 入院時
初回訪問時や訪問時の対応は、詳細に加えフローチャートでもわかりやすく示されており、また、感染を広げないための訪問前・中・後の防護策についても具体的に示されている。さらに、必要物品や事前のチェック項目、訪問時の観察項目などはチェックリストの形でまとまっており、そのまま印刷して活用できる。
なお、本マニュアルの作成趣旨の最後には、「新型コロナウイルス感染症に対する対応に関しては、個々の訪問看護事業所が対応するのではなく、地域における医師会や看護協会、訪問看護ステーション連絡協議会等の関係団体としての対応を保健所等と検討しておくことが大切です。地域の状況に応じて、自宅療養者の命が守られるように、事前(平素から)の検討や緊密な連携が重要であると考えています」とも述べられている。日々変化する感染状況に合わせ、各組織・機関の力を最大限に活かして対応していくことが重要である。
詳しくは、下記の公益財団法人日本訪問看護財団Webサイト参照
「新型コロナウイルス感染症訪問看護師による自宅療養者への対応マニュアル(第1版)」について
https://www.jvnf.or.jp/blog/info/corona-manual
【引用文献】
*1 厚生労働省:新型コロナウイルス感染症患者の療養状況等及び入院患者受入病床数等に関する調査結果(2021年7月21日0時時点)
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