2019/4/17
医療の現場でも、ますます“ダイバーシティ(多様性)”が重要になってきている。多様化する看護ニーズに対して質の高い安全な看護を提供するためには、看護チームにおいて、看護師・准看護師・看護補助者が、それぞれの役割と責任を果たすとともに、そのための体制を整備することが必要であろう。日本看護協会では2017年度から看護チームの現状や課題を情報収集して、よりよい業務のあり方について検討しており、2019年2月、「看護チームにおける看護師・准看護師及び看護補助者の業務のあり方に関するガイドライン及び活用ガイド」として公表した。
本ガイドライン作成の背景には、2017年度の情報収集において、「現場では、准看護師が看護師と同じ役割や業務を求められている実態が浮かび上がってきた」ことや、「現場の看護管理者から『どこまでの業務を看護補助者に任せてよいのか判断がむずかしい』」などの声があったとされる。
本ガイドラインでは、看護管理者・看護師に対し、安全で質の高い看護を提供し続けるための看護チームの業務のあり方の目指す姿がまとめられている。構成は、第1部が「ガイドライン」、第2部が「ガイドライン活用ガイド」になっている。ガイドライン作成にあたってのポイントは下記の通りだ。
1.「看護師と准看護師の協働」と「看護職と看護補助者の協働」とを一体的に示す
2.対象を「あらゆる場の看護管理者・看護師」とし、看護管理者や看護師の責任を強調
3.各職種の役割や責任、業務のあり方に関する基本的な考えの根拠を法令等で示す
4.第1部をガイドライン、第2部を活用ガイドとした2部構成
第1部のガイドラインでは、「看護師と准看護師、看護補助者の法的位置づけ」、「看護チームにおける看護師・准看護師・看護補助者の業務のあり方に関する基本的な考え」、「看護師と准看護師が協働する上で必要な体制整備」、「看護職と看護補助者が協働する上で必要な体制整備」について、保健師助産師看護師法や関連法規などを挙げながら各職種の役割と責任、業務の区分を解説している。
第2部の活用ガイドでは、「ガイドラインの活用に関する留意点やQ&A」、「現場で運用する際の具体的な取組みの例」(業務基準等による業務内容・業務範囲・指示に関する規定、教育の実施など)を豊富な記載例とともに紹介している。
日本看護協会では、「自施設における現状や課題を検証した上で、看護チームのあるべき姿を描き、着実に取り組みを進めるため、ガイドラインをぜひ活用してほしい」と述べている。
詳しくは、下記の日本看護協会Webサイト参照
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