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2019/6/19

認定看護師教育基準カリキュラム改正 特定行為研修を組み込んだ基準カリキュラムも公表

日本看護協会の「新たな認定看護師制度」に対する現場の看護師の関心は非常に高いが、同協会では、「2018年度認定看護師教育基準カリキュラム(A課程教育機関)」の改正および「認定看護師教育基準カリキュラム(B課程教育機関)」を公表した。認定看護師教育基準カリキュラム(A課程教育機関)というのは従来の認定看護師教育で、特定行為研修を組み込んでいないものであり、認定看護師教育基準カリキュラム(B課程教育機関)は、「新たな認定看護師教育」で、特定行為研修の内容を組み込んでいるものである。

認定看護師教育基準カリキュラム(以下、基準カリキュラム)は、教育の質を均質にし、また、研修者が研修期間において認定看護師に必要な知識・技術を習得できるよう構成したもので、原則として、5年ごとに医療の動向等を踏まえて改正が行われる。

「基準カリキュラム(A課程教育機関)」では、共通科目および下記の分野がある。今回は共通科目と6分野(救急看護、集中ケア、緩和ケア、がん化学療法看護、がん性疼痛看護、新生児集中ケア)が改正された。

■基準カリキュラム(A課程教育機関)一覧

共通科目(改正)、救急看護(改正)、皮膚・排泄ケア、集中ケア(改正)、緩和ケア(改正)、がん化学療法看護(改正)、がん性疼痛看護(改正)、訪問看護、感染管理、糖尿病看護、不妊症看護、新生児集中ケア(改正)、透析看護、手術看護、乳がん看護、摂食・嚥下障害看護、小児救急看護、認知症看護、脳卒中リハビリテーション看護、がん放射線療法看護、慢性呼吸器疾患看護、慢性心不全看護

「共通科目」の改正のポイントは、①特定行為研修共通科目との読み替えを可能とした、②新たな認定看護師教育基準カリキュラム(特定行為研修を組み込んでいる教育課程:B課程教育機関)共通科目との読み替えを可能とした、③必修科目の中で選択科目とするのが適当と考えられる教科目を選択科目に変更した、という点である。主な改正箇所は下記の通りだ。

■主な改正箇所

  1. 1「特定行為実践」(選択)の時間数を 15 時間に変更した。
  2. 2「臨床病態生理学」(選択)と「臨床病態生理学演習」(選択)を統合して「臨床病態生理学」(選択)とし、時間数を変更した。
  3. 3「疾病・臨床病態概論:5疾病」(選択)と「疾病・臨床病態概論:その他の主要疾患」(選択)を統合して「疾病・臨床病態概論」とし、時間数を40時間に変更した。
  4. 4「疾病・臨床病態概論:年齢別・状況別」(選択)を「疾病・臨床病態概論:状況別」(選択)に変更し、時間数を15時間に変更した。
  5. 5上記1)~4)の単元の表記を特定行為研修に関する省令の一部改正の内容にそろえた。
  6. 6「医療情報論」を必修科目から選択科目に変更した。

また、特定行為研修を組み込んだ「新たな基準カリキュラム(B課程教育機関)」の14分野が公表された。

* 呼吸器疾患看護、在宅ケア、手術看護、腎不全看護、生殖看護の5分野については、2019年度に検討し公表予定となっている。

■基準カリキュラム(B課程教育機関)一覧

共通科目、感染管理、がん放射線療法看護、がん薬物療法看護、緩和ケア、クリティカルケア、呼吸器疾患看護(2019年検討)、在宅ケア(2019年検討)、手術看護(2019年検討)、小児プライマリケア、新生児集中ケア、心不全看護、腎不全看護(2019年検討)、生殖看護(2019年検討)、摂食嚥下障害看護、糖尿病看護、乳がん看護、認知症看護、脳卒中看護、皮膚・排泄ケア

カリキュラムの作成方針は、①医療や看護を取り巻く社会や人々のニーズに沿い、求められる看護を提供できる教育内容とする、②認定看護師教育に特定行為研修を組み込むこと(特定行為研修制度の活用)、③認定看護師教育時間数は、質を担保しつつ最短時間とすること、が挙げられている。新たな基準カリキュラムおよび教育時間数を下記に示す。

■新たな基準カリキュラムの構成

目的 ・認定看護分野における認定看護師の教育目的
期待される能力 ・認定看護分野の特定の知識・技術を反映した認定看護分野の認定看護師に期待される能力
共通科目 ・看護師が手順書により特定行為を行う場合に特に必要とされる実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能であって、全ての特定行為区分に共通する科目
専門科目
(区分別科目を含む)
・期待される能力、教育目的に記載される全ての能力を獲得するために必要とされる知識、技術を習得する科目
・認定看護分野において看護師が手順書により特定行為を行う場合に特に必要とされる実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能であって、特定行為区分ごとに異なるものの向上を図るための科目
統合演習 ・臨地実習で実践した看護について、文献検討をふまえて総合的な看護実践につながるように統合する科目(ケースレポート)
臨地実習 ・期待される能力、教育目的に記載される全ての能力を獲得するために必要とされる知識、技術を習得する科目
・また習得した能力を生かして実践する科目
・認定看護師の役割(実践、指導、相談)を担う能力を養う科目

■教育時間数

  • 合計教育時間数は原則800 時間以内とする。
    (共通科目380時間、認定看護分野専門科目の上限225時間、統合演習15時間以上、臨地実習150時間以上)
    ただし、800時間を越える分野は、その理由を明確にする。
    クリティカルケア分野は、3区分選択するため820時間以内とする。
  • 800 時間に満たない分野は、特定行為研修区分別科目の追加を検討する。
  • 複数の特定行為区分を組み込んでも合計教育時間数を超えない範囲とする。
  • 認定看護分野共通科目として、指導15時間、相談15時間、看護管理15時間を設定する。
  • 認定看護分野専門科目の1教科目の時間数は15時間、30時間、45時間のいずれかとし、45時間を上限とする。(共通科目は、みなし時間に読み替えるにあたり細かい時間調整を行っていること、単位制ではないことから15の倍数以外の時間も認める)

なお、日本看護協会のホームページには、それぞれのカリキュラム内容や新旧対照表(A課程教育機関のみ)、適用スケジュールなどが掲載されている。

詳しくは、下記の日本看護協会Webサイト参照

・基準カリキュラム(A課程教育機関)

http://nintei.nurse.or.jp/nursing/qualification/cn_curriculum_a

・基準カリキュラム(B課程教育機関)

http://nintei.nurse.or.jp/nursing/qualification/cn_curriculum_b