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2019/7/25

「終末期の医療・ケア行為に対する意思決定プロセス」への提言が出される

人生の最終段階に至るまで一人ひとりを尊重しつつ医療・ケアの意思決定を支援する具体的な方途として、ACP(Advance Care Planning)への関心が俄然高まっている。特に、超高齢社会を迎えて、高齢者が最期まで自分らしく生きることができるように、医療やケアを提供することの重要性はますます強調されている。一人ひとりを人生の最終段階に至るまで尊重しつつ、医療・ケアの意識決定を決定する具体的な方法の1つがACPである。ただ、ACPは英語圏で形成された概念であり、そのまま日本の文化やシステムに持ち込むことが難しいという側面があるだろう。

日本老年医学会では、全国の医療・ケア従事者に対して、日々の活用を視野に「ACP推進に関する提言」を発表した。本提言では、ACPの定義や目標、実践者などについて、以下のようにまとめられている。

●ACPの定義
将来の医療・ケアについて、本人を人として尊重した意思決定の実現を支援するプロセス。
●ACPの目標
本人の意向に沿った、本人らしい人生の最終段階における医療・ケアを実現し、本人が最期まで尊厳をもって人生をまっとうすることができるよう支援すること。
●ACPの対象
医療・ケアを受けるすべての世代の人が対象としており、その多くは高齢者となる。
●ACPの実践者
本人や家族等、そして本人に関わる多職種の医療・ケア従事者。
●ACPファシリテーター
ACPファシリテーターとは、本人の価値観や意向、人生の目標に一致した医療・ケアの意思決定を実現するために、本人、家族等、医療・ケアチームと協働し、本人中心の意思表明や意思決定のための対話を促進する熟練した医療・ケア提供者を指す。
医師、看護師、訪問看護師、メディカルソーシャルワーカーなどがACPファシリテーターとなり得るが、医療・ケアチームのなかで最も適任な職種・スタッフが望ましいとされる。

さらに、意思決定プロセスについては、以下のように書かれている。

■意思決定プロセスのあり方

医療・ケア従事者は、本人・家族・代弁者らとの共同意思決定(十分なコミュニケーション)を通し、関係者皆が納得できる合意形成とそれにもとづく選択と意思決定を目指す。目指すべきは本人を中心とする協働行為としての意思決定プロセスの実現であり、これが本人を人として尊重し支えるプロセスになる。そうすることで、本人が意向を伝えるのが困難になった段階でも、本人の意向を汲み取り、適切に推定して尊重することが可能になる。

■ACPのプロセスにおいて話し合う内容

ACP のプロセスにおいて、本人の価値観や信念、思想、信条、人生観、死生観、気がかり、願い、また、人生の目標、医療・ケアに関する意向、療養の場や最期の場に関する意向、代弁者などについて話し合うことが望ましい。

■代弁者

本人の意思決定能力が低下した場合でも本人の意向を尊重することが大切であり、そのために代弁者を選定する。代弁者は本人の意向によって選定されることが望ましく、代弁者となる人は自分が代弁者であることを承認していることが必要である。

■記録の重要性

ACPのプロセスで話し合った内容を記録することは重要である。多職種間での情報共有のために、各職種は適宜、本人や家族等との対話の内容を記録し、医療・ケアチームのカンファレンスなどで情報を共有する。さらに、これらの情報は医療・ケアの場が移行しても引き継がれる必要がある。

同学会は本提言のほか、ACPの事例集も紹介している。

詳しくは、下記の日本老年医学会Webサイト参照

https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/proposal/acp.html

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