2019/8/30
手術時、閉創前にガーゼカウントを行ったにもかかわらず体腔内にガーゼが残存した事例が57件あったことが、日本医療機能評価機構から報告された(集計期間:2016年1月1日~2019年3月31日)。ガーゼが体内に残存した事例は継続的に発生しており、同機構はこれまでも繰り返し注意喚起を促している。ガーゼが残存した57件の事例のうち、48件はカウントが合っていたという。
今回報告された2つの事例は下記の通りだ。
【事例1】
帝王切開術を行った。子宮閉創前、閉腹前にガーゼカウントを行った際、看護師は丸まったガーゼを目視で数え、合っていることを確認した。手術終了時に撮影したX線画像で、医師は腹腔内にガーゼが残存していることに気付き、再開腹してガーゼを取り出した。カウント済のガーゼの数を再度確認したところ1枚少なかった。
【事例2】
開腹にて右半結腸切除術を行った。手術器具をまとめるために使用していたX線造影材なしのガーゼ(カウント対象外)を術野外に破棄したところ、X線造影材ありのガーゼと一緒にカウントされた。ガーゼカウントは合い、閉腹して手術を終了した。その後、腹腔内にガーゼが残存していることに気付いた。
上記の事例が発生した医療機関では、①ガーゼを数える際は1枚ずつ広げて確認する、②手術中はカウント対象外のガーゼを使用しない、③手術終了後、ガーゼカウントを再度行うという取り組みが行われている。
手術時のガーゼ残存は古くから問題とされてきたが、依然として起こっていることが判明した。一層の取り組みが期待される。
詳しくは、下記の日本医療機能評価機構Webサイト参照
×close
©DEARCARE Co., Ltd.