2019/9/18
国は、看護師の特定行為研修を強力に推し進めており、日本看護協会でも新たな認定看護師制度において特定行為研修を組み込むなど、同一歩調で進めている。その一方で、同協会では、「日本版ナース・プラクティショナー(仮称)制度」の創設も同時に推進している。協会が目指しているのは米国等の欧米諸国のように、医師の指示がなくとも一定レベルの診断や治療を“自律的に”行うことができる新たな国家資格である。それは、現行の「医師の指示のもとでの診療の補助」の枠内である「特定行為研修」では対応できないニーズに対して新たな裁量をもつ看護師の必要性から生まれてきたといえる。
一般社団法人日本NP教育大学院協議会のNP教育課程は、米国のナース・プラクティショナー制度を参考に2008年に設置され、2019年4月現在で10校まで増加し、修了者は400名に上る。NP教育課程は大学院修士課程に設置されており、フィジカルアセスメント、病態生理学、臨床薬理学などの科目を設けて対象者の身体状況を的確に把握し、診断や治療を提案するプロセスを学ぶというものである。
今回、日本看護協会では、2018年度にNP教育課程修了者の活動成果に関するパイロット事業を6施設(訪問看護ステーション1か所、介護老人保健施設2か所、病院3か所)の協力を得て実施し、その報告書である「NP教育課程修了者の活動成果に関するエビデンス構築パイロット事業報告」を公表した。このパイロット事業の目的は、「NP教育課程修了者の現場での役割構築を支援するとともに、 今後のエビデンス構築に向けた基盤を作るため、NP教育課程修了者の活動とエビデンス構築に結びつく成果等について好事例を集め、広く情報発信をする」ことにある。報告書の概要を紹介する。
1.訪問看護での役割や活動例
2.介護老人保健施設(1)での役割や活動例
3.介護老人保健施設(2)での役割や活動例
4.病院の糖尿病患者に対する役割や活動例
5.急性期病院での役割や活動例
6.ICUでの役割や活動例
報告書の考察としては、以下の点が挙げられている。
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これらのことから、同協会では、今後、看護師が患者や利用者のニーズによりタイムリーに対応していくための制度的枠組みの検討を進めていくこととしている。
詳しくは、下記の日本看護協会Webサイト参照
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