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2019/10/21

高齢者の“筋”の質を決める要因についての調査が行われる

サルコペニア、フレイルに関する報道が後を絶たない。超高齢化が急速に進むわが国で喫緊の課題だからであろう。名古屋大学などは、地域在住の高齢者における筋の質的指標が、全身の筋肉量、運動機能および日常生活の活動量と強く関係することを明らかにしている。

この研究は、同大学総合保健体育科学センターの秋間広教授、医学系研究科の葛谷雅文教授、中京大学の吉子彰人助教らの研究グループが、名古屋大学未来社会創造機構モビリティ部門人間・加齢特性グループ、星城大学と共同で行ったものだ。

骨格筋の量は加齢に伴い減少し(サルコペニア)、骨格筋の内部に脂肪やコラーゲンなどの結合組織が増加することで、骨格筋の質が低下することが明らかになっている。そして、筋の質の低下はインスリンの抵抗性を引き起こし、糖尿病のリスクを高めるとともに歩行や日常生活動作を困難にする。加齢によって筋の質は低下すると考えられているが、関連するその他の要因は十分に明らかにされていなかった。

そこで研究グループは、70歳から80歳までの地域在住の高齢者204人を対象に、筋の質の測定と身体測定、運動機能の測定、日常での身体活動量を測定し、筋の質に影響する要因について検証した。

具体的には、筋の質的指標、全身脂肪量や全身骨格筋量、歩行や握力を中心とした運動機能、歩数や身体活動時間を測定した。そして筋の質を基準に高齢者を3つに郡分けし、判別分析を用いて筋の質が高い群か低い群であるかを判別する要因を探した。

その結果、全身の骨格筋量指数、6分間の歩行距離、中程度(3.0~6.0METs[*注1])の身体活動量が、筋の質を判別する要因としてわかった。研究結果は、高齢者の筋の質に影響する要因が年齢以外にもあることを明らかにした。研究グループでは、今回明示できた3つの要因を改善することで、質の高い筋を維持することが可能になるという。これは、糖尿病発症のリスクの軽減や日常生活での自立に貢献することで、高齢者の健康の維持・増進に寄与するのではないかというコメントを出している。

*注1 METs:「Metabolic Equivalents」の略で、運動強度の単位となる指標。座位安静時を1.0METsとし、特定の活動がこれの何倍のエネルギー消費量に相当するかを示している。

詳しくは、下記の名古屋大学Webサイト参照

http://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20190905_htc1.pdf

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