ニュース

2019/11/1

看護基礎教育、総単位数97単位から102単位へ

かねてから注目されていた看護基礎教育の改正案が発表された。
この改正案は、人口や疾病構造の変化、療養の場の多様化などに伴い、看護職には多様性・複雑性に対応した看護を創造する能力が求められている状況をふまえて、厚生労働省が10回にわたって検討したものをまとめたものだ。この「看護基礎教育検討会報告書」では、保健師・助産師・看護師・准看護師の教育内容等の見直しが述べられている。ここでは看護師の内容に限って紹介する。

本報告書では、看護師の教育内容の見直しのポイントを下記の通り示した。総単位数や「看護師に求められる実践能力と卒業時の到達目標」「看護師教育の技術項目と到達度」の文言変更などが盛り込まれている。

■看護師の教育内容等の見直しのポイント

  • 総単位数を97単位から102単位に充実(総時間数は削除)
  • 情報通信技術(ICT)を活用するための基礎的能力やコミュニケーション能力の強化に関する内容を充実
  • 臨床判断能力等に必要な基礎的能力の強化のため解剖生理学等の内容を充実
  • 対象や療養の場の多様化に対応できるよう「在宅看護論」を「地域・在宅看護論」に名称変更し、内容を充実
  • 各養成所の裁量で領域ごとの実習単位数を一定程度自由に設定できるよう、臨地実習の単位数を設定

※3年課程は令和4年(2022年)度、2年課程は令和5年(2023年)度より適用

また、実習や教員募集については以下の問題を指摘している。

  • 実習施設では、特に成人看護学実習において、高齢者が対象となることが多く、老年看護学実習の対象と重複している実態がある
  • 近年の少子化により、一般病院の産婦人科や小児科が減少していることなどから、特に母性看護学や小児看護学において実習施設の確保が困難となっており、学生が実習で経験できる内容にばらつきが生じている
  • 看護師等養成所では教員の募集を行っても、なかなか応募者が集まらない実態に加え、カリキュラム外での補講や演習、成績管理等の事務作業や学生のカウンセリングへの対応等により、時間外業務も多く、教員の負担が増大し、さらに教員の確保が困難になるといった悪循環に陥っている現状がある

このような点を踏まえ、教育体制・教育環境等の見直しを下記の通りするとした。

■教育体制・教育環境等の見直しのポイント

  • 実習前後の講義や演習、振り返り等を積極的に活用し、学生が主体的に学ぶことができる教育方法の推進
  • 療養の場の多様化等を勘案した多様な実習施設における実習の推進を図るための一部要件の緩和
  • 情報通信技術(ICT)の進展等の変化に伴い、遠隔授業等の実施が可能であることの明示
  • 教員の負担軽減のため、養成所に配置すべき専任の事務職員について教員を補佐する教務事務の役割の明示
  • 受講者の利便性向上等のため、専任教員養成講習会、教務主任養成講習会、実習指導者講習会の共通内容を受講免除する仕組みの構築やeラーニング活用等の推進

今後の課題としては改正事項について必要な検証を行い、その結果を踏まえつつ、社会における看護職のニーズに一層応えていくための更なる能力向上に向けて、実習を含めた教育内容及び方法の継続的な検討を行うとしている。

詳しくは、下記の厚生労働省Webサイト参照

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_07297.html

アルメディアWEB会員(無料)って?

会員登録いただくと、次の特典があります。

●特典1:動画や実践のコツなどの「限定コンテンツ」が見られる!

●特典2:勉強会や指導・説明などで使用できる資料がダウンロードできる!

●特典3:ケアに関する情報をメールで受け取れる!