2019/11/14
高齢化の急速な進展とともに注目されるフレイルは、加齢とともに心や身体の余力が衰え、ストレスへの抵抗力が弱まっている状態を指す。将来の認知機能の低下や認知症発症および要支援・介護認定のリスク因子であることが報告されていることから、これまで簡易的なフレイルのチェックシートの開発が課題となっていた。
九州大学キャンパスライフ・健康支援センターおよび大学院人間環境学府の熊谷秋三教授、大学院人間環境学府博士課程3年の陳斯氏らの研究グループは、妥当性・信頼性の高い簡易フレイルチェックシートを作成したと発表した。
フレイルは、「体重減少」「握力低下」「倦怠感」「歩行速度低下」「活動量低下」の5項目のうち、1~2項目の該当で「プレフレイル」、3項目以上の該当で「フレイル」と判定される。この身体的フレイルの調査には1週間以上の期間が必要となり、市町村のチェック事業に用いることは難しいという側面があった。
今回の簡易なチェックシートは、Fatigue(疲労感)、Resistance(筋力)、Aerobic(有酸素能力)、Inactivity(活動量低下)、Loss of weight(体重減少)の5項目6つの質問から評価ができるようになっている。質問項目は、日本の介護予防領域で広く利用されている既存項目を選び、身体的フレイルの項目と一致性が高いもので決めている。例えば、「筋力」の項目では、「階段を手すりや壁をつたわらずに昇っていますか」などとなっており、それぞれの質問に、「はい」「いいえ」で答える。チェック該当項目数3つの場合が、日本人の地域在住高齢者におけるフレイルスクリーニングのカットオフ値となることが実証されたという。
詳しくは、下記の九州大学Webサイト参照
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