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2020/1/16

「平成30年度 医療安全に係わる実態調査(抜粋版)」が公表

平成27年10月に施行された医療事故調査制度は、医療事故が発生した医療機関において院内調査を行い、その調査報告を日本医療安全調査機構(医療事故調査・支援センター)が収集・分析することで再発防止につなげるための調査の仕組みである。本制度の目的は、医療の安全を確保するために医療事故の再発防止を行うことであり、責任追及を目的としたものではない。

日本病院会では、制度が施行される直前の3年間を対象期間として「平成26年度 医療安全に係わる実態調査」を実施している。この度、制度施行から3年間を対象期間にした「平成30年度 医療安全に係わる実態調査 —報告書(抜粋版)—」を公表した。今回は新たな質問を加えて3年での変化を比較し、現状の把握、今後への課題を検討する資料としてまとめている(回答数589施設、回答率23.8%[全2,480施設])。

■医療安全管理について

「医療安全管理委員会」の開催は定期的に行っているとの回答が99.3%となっており、月1 回の開催がそのうちの97.4%という結果であった。平成26年度に比べて定期的な開催と月1 回の開催回数はいずれも増加している。ヒヤリ・ハットの月の平均事例は278.0 件で、平成26 年度の136.8 件よりも約2 倍の増加となった。

医療安全管理者の種類としては、専従が看護師(74.2%)、専任または併任が医師(98.6%)と最も多かった(下表参照)。

平成30年度と平成26年度を比較すると、医療安全管理者(認定者)数が80.6%から91.9%へと増加した。多くの病院では1名以上の認定者がいる結果となり、また、管理者の平均人数も3.3名から5.3名と2名増えている。

医療対話推進者(医療メディエーター)については定義・業務内容・配置等は不明確な状況であるが、有無を確認する質問に対しては「いる」が54.2%となり、平成26年度と比べて約24%増加した。

■医療事故調査制度における対応について

本制度の対象となる「医療事故」は、以下の①と②の双方に該当するものと定義されている。

  1. 1すべての病院、診療所(歯科を含む。)又は助産所に勤務する医療従事者が提供した医療に起因する(又は起因すると疑われる)死亡又は死産
  2. 2医療機関の管理者が当該死亡又は死産を予期しなかったもの

広い意味で(疑いのレベルを含む)本制度で定義する患者が死亡した医療事故を経験したと答えたのは204病院(34.8%)であった。そのうち、全ての事故を届け出たと答えたのは64病院、何かしら届け出なかった事故があると答えたのは102病院である。届出をしなかった理由としては、「原病の進行による死亡」が52%と最も多く、次いで「予期できた死亡」が48%、「医療に起因しない死亡」が40.2%という結果であった(下表参照)。

このほか本報告書では、医療事故調査に係る費用負担や、医療事故判断の基準(定義)の妥当性などについてのアンケート結果を紹介している。

詳しくは、下記の各Webサイト参照

・日本病院会

https://www.hospital.or.jp/pdf/06_20191203_01.pdf

・日本医療安全調査機構(医療事故調査・支援センター)

https://www.medsafe.or.jp/modules/public/index.php?content_id=2

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