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2020/6/23

介護・福祉施設における新型コロナウイルス感染症への対応 日本環境感染学会がより具体的に方針を示す

介護・福祉施設の職員の新型コロナウイルス感染症への不安が尽きないようだ。日本環境感染学会では、介護・福祉施設を対象とした、「高齢者福祉施設従事者のためのQ&A(第2版)」を2020年5月26日に発表した。3月時点の初版よりもボリュームが増えており、「施設内に疑似症や陽性者の発生がない場合」と「疑似症やPCR陽性者が発生した場合」の2段階に分けてQ&Aをまとめている。今後も内容のアップデートが期待されるため、注目したい。

福祉施設や介護事業所のなかには、2020年4月1日に出された「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」による提言(*1)を受けて、「3つの密」を回避するため、面会や通所サービスなどの利用を制限、もしくは中止してきたところも多い。デイサービスやショートステイ、リハビリテーションなどは、まさに密閉空間に多数が集まり、間近で会話や発声する密接場面をつくりやすく、利用者が高齢であることを考えるとクラスター感染のリスクが高くなる。そのためサービスを継続する場合でもこれまでにない対応を迫られてきた。

「高齢者福祉施設従事者のためのQ&A(第2版)」では、施設で生じうるさまざまな場面を想定した質問に対し、わかりやすく具体的に応える形式で、必要な対応策と方針を示している。

例えば、面会やデイサービスについては、これまで中止していた場合には、「状況が許せば再開の方向で検討」としている。また、再開にあたっては以下の点に配慮して行うこととしている。

  • 3密(密閉、密集、密接)の回避
  • 飛沫の回避
  • 手指消毒、健康チェックなどを徹底する体制を整える
  • 短時間で行う
  • 面会は居室ではなく、別室を設けて行う

ただし、地域の流行状況や、次の緊急事態宣言などの発令があった場合には、すぐに中止できるようにすることも明示した。

利用者のリハビリテーションについては、同じく3密を避ける工夫が必要となるが、リハビリ器具やリハビリ室の環境消毒を適宜実施し、集団で行わないことを挙げる。また、指導者と利用者が1対1で実施する場合は、指導者は利用者の横や後ろに位置するといった、具体的な手順も示された。

Q&Aには、他にも、発熱などの症状(疑似症)のある利用者が使用した食器の扱いや部屋の清掃、またPCR陽性者のリネン類の処理などの具体的な対応方法がまとめられている。日本環境感染学会で公開されている「高齢者介護施設における感染対策 第1版」と合わせて活用したい。

なお、日本環境感染学会では、施設内に感染対策に精通したスタッフがいない場合は、できるだけ保健所もしくは地域の感染対策専門家に相談し、自施設の感染対策について助言を受けることを推奨している。また、高齢者福祉施設従事者を対象に開設された相談窓口の利用も呼びかけている。

詳しくは、下記の日本環境感染学会Webサイト参照

・「高齢者福祉施設従事者のためのQ&A(第2版)」

http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/koureisyashisetsu_Q%EF%BC%86A_2.pdf

・「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応について」

http://www.kankyokansen.org/modules/news/index.php?content_id=328

*1:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020年4月1日)

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000617992.pdf

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