2020/10/6
看護師の特定行為研修制度は、2015年10月からスタートし、丸5年が経った。制度開始当初、看護師が就業しながらなるべく身近な環境で研修を受けられるよう、国は指定研修機関としてまず300機関を整えることをめざしていた。しかし、制度の認知不足や、研修に送り出す側・受け入れる側の負担の大きさなどから、機関数・特定行為研修修了者数は伸び悩んできた感が否めない。
2020年8月25日、厚生労働省によって新たに31機関が指定研修機関として指定され、特定行為研修の指定研修機関は、ようやく計222機関にまで広がった(表参照)。これにより、全国46都道府県での研修が可能となり、残りの1県となった宮崎県でも、早期の指定が期待されている。
施設の種類別指定研修機関数(2020年8月現在)
大学 | 19 |
---|---|
大学院 | 14 |
大学病院 | 44 |
病院(診療所を含む) | 126 |
医療関係団体等 | 18 |
専門学校 | 1 |
総計 | 222 |
(厚生労働省)
これまでの特定行為研修修了者の総数は、2019年9月現在1,954名にとどまっており、制度開始当初に掲げられた「2025年までに10万人」という目標には、まだまだ遠い状況となっている。
養成を推進するために、政府の規制改革推進会議では、特定行為研修のパッケージ化の拡大や、医療現場への周知強化などを答申として挙げている。2020年8月の指定においても、機関数の拡大に加え、5領域(在宅・慢性期領域、外科術後病棟管理領域、術中麻酔管理領域、救急領域、外科系基本領域)いずれか、あるいは複数のパッケージ研修が可能となった医療機関も徐々に増えてきた。
また、同答申では、「本研修制度の利用を十分に拡充するため、特定行為研修修了者の配置等に対する診療報酬上の評価を含めた促進策をさらに実施する。」とも言及されており、次回、2022年度診療報酬改定に向けた動きが注目される。
詳しくは、下記の各Webサイト参照
・厚生労働省
【特定行為に係る看護師の研修制度】指定研修機関等について(2020)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000087753.html
・内閣府
記載改革推進に関する答申(2020)
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/committee/20200702/200702honkaigi01.pdf
×close
©DEARCARE Co., Ltd.