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新型コロナウイルス感染症COVID-19拡大を受け、公益社団法人日本看護協会では2020年9月、中小規模病院、および高齢者福祉施設向けの「感染予防・管理のための活用ツール」を公開した。

地域医療を担う中小規模病院、あるいは高齢者福祉施設では、感染管理に詳しい医師・看護師が少ないところが多い。同協会では、感染管理認定看護師や看護管理者等の派遣や、相談窓口の設置など、これらの施設を支援するため取り組みを行っている。

感染対策への疑問を解決できる場が少ないような状況では、日々の感染対策において不安な思いを抱いている看護師や介護士が多いことだろう。そこで、今回のツールは、そうした状況にある中小規模病院や高齢者福祉施設への支援体制の確保に向けて作成されたものである。

都道府県看護協会が派遣する感染管理認定看護師等、および看護管理者、さらに、支援を受ける中小規模病院や高齢者福祉施設等に従事する看護職者が、クラスターの発生や感染拡大時などの緊急時、あるいは感染予防の体制整備等を支援する際に用いられることが想定されている。

本ツールは、以下の4つの使用時期に分けて作成されている。
1. 地域流行期：院内または施設内にCOVID-19感染者が発生していない時期
2. 感染者発生期：院内または施設内にCOVID-19感染者または濃厚接触者が発生した時期
3. 感染拡大期：院内または施設内にCOVID-19感染者が多数発生し拡大している時期（クラスター発生時）
4. 収束・再準備期：院内または施設内のCOVID-19感染者が減少し、体制の再準備を行う時期

さらにそれぞれの時期で、組織体制や医療提供体制といった「マネジメント」、感染対策や資材確保といった「感染管理」、そして行政や地域などとの「連携」の項目を挙げ、必要なチェック項目とチェック時の視点となるポイントが記されている。

自施設を項目に沿って確認し、未実施の内容については、どのようにすれば実施・改善できるのか、施設管理者等と協議していくことで、ツールを有効に活用できる。さらに、感染対策の基本や発生時の対応などの要点を確認できる自主点検表も掲載されている。

チェックリストの形となっており、事実確認や必要事項の明確化が容易であるため、ぜひ活用されたい。

詳しくは、下記の日本看護協会各Webサイト参照

中小規模病院用　新型コロナウイルス感染症　感染予防・管理のための活用ツール

https://www.nurse.or.jp/nursing/practice/covid_19/document/pdf/tool_hospitals.pdf

高齢者福祉施設用　新型コロナウイルス感染症　感染予防・管理のための活用ツール

https://www.nurse.or.jp/nursing/practice/covid_19/document/pdf/tool_elderly.pdf