2020/12/7
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、全国の看護師等学校養成所で喫緊の課題となっているのが、臨地実習への対応である。
臨地実習は、講義で学んだ知識や技術を実践に結びつけるために専門職教育には必須のものだが、コロナ禍における医療提供体制の維持と感染予防の観点から、看護学生の受け入れ制限や中止・延期を決定している実習施設が増えている。そのため、各看護学校では模擬患者やシミュレーターを取り入れるなどさまざまな工夫を行い、学内実習の充実に取り組んでいるが、実際に患者を目の前にしての臨地実習の代替としては課題が多いのが現状である。
2020年6月、厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症の発生に伴う看護師等養成所における臨地実習の取扱い等について」として、“実習施設において学生の受入れが可能となった場合は、必要な感染予防策を講じた上で、可能な限り臨地での実習を実施すること”、との通知を行っている。長期化するコロナ禍のなかで病院や施設での実習を行う際には、患者と学生の双方、そして現場の医療スタッフを感染から守るための対策が、これまで以上に重要になっているといえる。
このような状況を受け、日本看護協会では2020年11月、「臨地実習に必要な感染対策」と題した動画を公開した。今回公開されたのは、『準備編』と『実践編①』の2本である。
『準備編』は、“学生が感染しない、学生から感染させない”臨地実習のために必要な準備について、学校としての体制整備と、学生の自己管理の大きく2つのパートから成っている。
学校としての体制整備においては、実習先の施設と学校との間での報告・相談・対応体制の整備のポイントや、実習中止の判断基準、実習前に学校として準備すべき物品、学生の不安に対する相談窓口の設置などが紹介されている。また、学生の自己管理においては、日々の行動や体調管理に関する感染予防意識・対策の徹底について、ポイントを紹介している。
『実践編①』では、病院での実習中の1日の流れに沿って、実習の場で必要となる感染対策や学生指導のポイントを中心に、Q&A形式で紹介している。実習施設到着後に微熱があることがわかった場合どうするべきか、学生が移動時の感染への不安を訴えてきた場合のアドバイス、ユニフォームの洗濯方法など、細かな疑問にも答えている。
本動画は、実習の派遣元となる看護教員を主に対象としているが、看護学生や看護教員がどのようなことを疑問・不安に思っているのか、どのような対策をとったうえで実習に臨んでいるかなど、学生を受け入れる側の施設においても参考になる内容となっている。
詳しくは、下記の日本看護協会Webサイト参照
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