2021/6/4
新型コロナウルス感染症(COVID-19)の世界的拡大は、多種の変異ウイルス(変異株:variant)が次々と生まれる「新たな局面」に入ったようだ。最初の変異ウイルスは、2020年12月にイギリスで見つかった「VOC-202012/01」というもので、「スパイクタンパク質」に「N501Y」と呼ばれる変異があることがわかっている。WHOによると、従来のウイルスに比べて感染力が43%~90%も高くなっているとされる。続いて、南アフリカで「501Y.V2」という変異ウイルスが見つかり、さらにブラジルで「N501Y」と「E484K」の両方の変異が起こるブラジル型が報告された。そして、2021年5月WHOが「懸念される変異株=VOC」と位置づけた「インド型」が発見され、その感染力の強さや重症化が非常に危惧されている。
このように次々と変異を繰り返すCOVID-19においては、完全終息への道のりは遠いように思われる。こうした新興ウイルスとの共生の道を探るとき、人と人との密な接触が避けられない看護や介護においては「新しいケア学」の概念が必要になっていくと考えられている。その1つがリモートナーシングの推進で、同時にICTやロボット、AIの医療現場への導入が一層進みそうである。
2021年7月にWEB開催となった第30回日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会(同時開催:The 9th Asia Pacific Enterostomal Therapy Nurse Association Conference、学術集会長:真田弘美)は、そうした新しい時代の看護の姿を提唱してくれそうだ。
学会テーマは、「次世代WOCマネジメントを体感する:サイエンスとアートの融合- Integrating Science and Art for Next-Generation WOC Management」。学術集会長の真田弘美・東京大学大学院医学系研究科教授は、「このようなコロナの状況下であるからこそ、サイエンスだけでなく、個々に寄り添うアートにも注力し、次世代に新しいWOC看護の未来を託したいと考えている」と本学会の意図を説明している。
学術集会では、次世代のWOCマネジメントを体感できる国際シンポジウム(通訳あり)や、最先端のテクノロジーを自身が活用するためのワークショップの他、ブレーデンスケールの開発者であるバーバラ・ブレーデン博士(Creighton University名誉学部長)、ウンドヒーリングの世界的大家であるグレゴリー・シュルツ博士、宮地良樹・京都大学名誉教授(静岡社会健康医学大学院大学学長)の講演等が準備されている。
さらに、ご自身がオストメイトで、その療養体験をマンガで描いた内田春菊さん(漫画家)や郷ひろみさんからのメッセージも予定されている。
オンライン参加登録は、2021年5月26日(水)~7月30日(金)の期間となっている。
詳しくは、下記の第30回日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会Webサイト参照
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