2021/9/1
厚生労働省は2021年7月26日、「在宅酸素療法における火気の取扱いについて」として、在宅酸素療法を行っている患者やその家族に対し、安全使用に対する注意喚起を行った。
在宅酸素療法実施中の火気の取り扱いについては、火災による死亡事例を招くことが多く、酸素濃縮装置や液化酸素、酸素ボンベの取扱説明書や添付文書において、また一般社団法人日本産業・医療ガス協会による周知活動により、さまざまな注意喚起が実施されているところである。
こうした注意喚起にもかかわらず、日本産業・医療ガス協会が2021年5月時点の内容として発表した 「在宅酸素療法を実施している患者居宅で発生した火災による重篤な健康被害の事例」の調査・集計報告(※)によると、ここ4年(2018年6月~2021年5月)ほどの間に16件も火災が発生しており、その多くは死亡に至る事例である。火災の原因としては、不明が多いものの、「喫煙」や「電気ストーブ引火」、「こたつから出火」であり、火気の取り扱いに厳重な注意が必要であることが示されている。
厚生労働省は、在宅酸素療法を受けている患者やその家族等に注意してほしい事項として、以下を掲げている。
1) 高濃度の酸素を吸入中に、たばこ等の火気を近づけるとチューブや衣服等に引火し、
重度の火傷や住宅の火災の原因となります。
2) 酸素濃縮装置等の使用中は、装置の周囲2m以内には、火気を置かないで下さい。
特に酸素吸入中には、たばこを絶対に吸わないで下さい。
3) 火気の取扱いに注意し、取扱説明書どおりに正しく使用すれば、酸素が原因でチューブや
衣服等が燃えたり、火災になることはありませんので、過度に恐れることなく、医師の指示
どおりに酸素を吸入して下さい。
臨床現場で酸素療法中の患者やその家族等にかかわる場合は、あらためて火気の取り扱いへの注意を促すとともに適切な対応を心がけたい。厚生労働省のサイトでは、「在宅酸素療法時は、たばこ等の火気の取扱いにご注意下さい。」という啓発リーフレットも掲載されている。
詳しくは、下記の厚生労働省Webサイト参照
「在宅酸素療法における火気の取扱いについて」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000003m15_1.html
【引用】
※一般社団法人日本産業・医療ガス協会Webサイト:HOT患者宅での火災事故 「火災事故の事例」
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