2021/9/7
自動体外式除細動器(AED)の推定設置台数は国内でおよそ60万台とされており、公共施設など一般市民が使用できる場所にも広く設置が進められている。2018年中に一般市民がAEDを使用し除細動を実施した傷病者は1,254人であり、そのうち一か月後生存者は701人、一か月後社会復帰者は605人となっている(*1)。
AEDは機械が自動的に心電図を解析し電気ショックの必要性を判断するため、医療従事者に限らず一般市民でも、AEDの音声ガイドに従い操作することで救命へとつながる。現在国内で普及しているAEDは、電気ショックが必要と判断された場合、救助者がショックボタンを押すことで電気ショックが行われるものが主流である。
今般、ショックボタンを有さずに、適切なタイミングでAEDが自動的に傷病者に電気ショックを与える「オートショックAED」の製造販売が開始されることになり、それに伴う注意事項が、厚生労働省より通知された。
傷病者の胸部に電極パッドを貼付すると心電図が自動解析され、電気ショックの要否が判断されるのは、従来型のAEDと変わらない。オートショックAEDでは、電気ショックが必要と判断された場合は、患者から離れるよう音声ガイドが流れ、カウントダウンまたはブザーの後に自動的に電気ショックが実施される。
厚生労働省通知では、以下の2点を注意点として挙げている。
上記に関して、同通知では、製造販売業者等へはオートショックAEDへのロゴマークの表示等、また、救命講習等の実施主体等に対しては上記事項に関する情報提供などを呼びかけている。
従来型のAEDの使用経験がある場合でも、上記のような差異にとまどうこともあると想定される。医療従事者は、今後ショックボタンがないタイプのAEDも普及していくことを認識し、使用法を押さえておきたい。
詳しくは、 下記の厚生労働省Webサイト参照
「ショックボタンを有さない自動体外式除細動器(オートショックAED)使用時の注意点に関する情報提供等の徹底について」
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T210803I0030.pdf
【引用文献】
*1 総務省消防庁:令和元年版 救急活動の現況.
https://www.fdma.go.jp/publication/rescue/post-1.html
【関連ページ】
●ディアケア プレミアム
「高齢者の急変をどう見つけ、どう対応するか」
https://dearcare.almediaweb.jp/home/cat08/theme001/index.html
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