2021/9/22
新型コロナウイルスのパンデミックに伴う医療機関の受診控えがさまざまな診療科で懸念されている。外来受診率の減少に加え、健康診断等も受診控えの傾向がみられており、日本対がん協会の発表によると、調査対象の支部で2020年に実施した5つのがん検診(胃、肺、大腸、乳、子宮頸)の受診者は、対前年比30.5%の大幅減となった(*1)。
一方、コロナ禍以前から課題として挙がっているのが、精神障害を有する患者のがん検診受診率の低調化である。一般住民と比べ、精神障害を有する患者はがん検診の受診率が低いことがわかっており、“受診格差”が生じていた。
この度、岡山大学、国立がん研究センター、島根大学による共同研究グループは、かかりつけ精神科医療機関の外来で行う個別のがん検診勧奨法が、市町村によるがん検診の案内のみと比較し、統合失調症患者の大腸がん検診受診率を向上させたことを確認した。
この研究では、精神科外来へ通院中の統合失調症患者を、以下の2つの群に分け、大腸がん検診の受診率を比較した。
今後、科学的に有効性が示された勧奨法が普及することで、精神障害を有する患者のがん検診受診の格差解消が期待される。
詳しくは 、岡山大学Webサイト 2021年8月3日プレリリース「かかりつけ精神科での個別の検診勧奨で、統合失調症患者さんの大腸がん検診受診率が大きく改善~精神障害を有する患者さんでのがん検診受診率の格差解消に期待~」参照
【引用文献】
*1 日本対がん協会:2020年の受診者30%減、約2100のがん未発見の可能性 日本対がん協会32支部調査.2021年3月24日.
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