2022/2/22
厚生労働省は、2021年12月28日に、2020年「介護サービス施設・事業所調査」の概況を公表した。この調査は、全国の介護サービスの提供体制や提供内容等を把握するために毎年行われているものであり、介護サービスの基盤整備、ひいては介護保険制度や介護報酬の見直しの基礎資料としても活用されている。
2020年10月1日現在で活動中の施設・事業所数をみると、介護予防訪問看護ステーションが前年比7.2%増、訪問看護ステーションが前年比7.0%増といずれも高い伸びを示しており、訪問看護サービスへの需要の高まりが見受けられる。その背景としては、地域包括ケアの推進に伴い、医療依存度の高い患者あるいは要介護者が、在宅で過ごすケースが増えてきていることが挙げられる。
また、2023年度いっぱいで廃止が決まっている介護療養型医療施設は前年から277施設減、代わって受け皿となる介護医療院は前年から291施設増となっており、すべてが前者からの移行というわけではないものの、徐々に転換が進んでいることが見受けられた。
減少傾向がみられた施設・事業所としては、介護予防訪問入浴介護(前年比4.0%減)や訪問入浴介護(前年比4.6%減)、介護予防認知症対応型通所介護(前年比3.5%減)などが挙げられる。
介護保険施設の定員についてみてみると、2020年9月末の利用率は介護老人福祉施設で96.0%、介護老人保健施設で88.5%、介護医療院で93.9%と、いずれも高い水準が続いている。前述のとおり廃止が決まっている介護療養型医療施設の利用率も85.2%と高くなっており、スムーズな新施設への移行が急務のようだ。
さらに、看護師について、施設ごとの従事者数を紹介すると、従事者数が多い順に、訪問看護ステーションが81,632人、通所介護が37,675人、介護老人保健施設が29,834人、介護老人福祉施設が27,022人、短期入所生活介護が20,313人となっている。なかでも伸び率が顕著なのが訪問看護ステーションで、事業所数の増加も受けて、従事者数はここ数年右肩上がりの状況が続いている。以前は病棟勤務を経験したうえで訪問看護の道へ進む流れが多かったが、ここ数年は新卒を採用する訪問看護ステーションも出てきており、今後もしばらくは増加傾向が続くと考えられる。
詳しくは、下記の厚生労働省Webサイト参照
「令和2年介護サービス施設・事業所調査の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/service20/index.html
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