2022/7/14
2021年度から運用が始まった「科学的介護情報システム(LIFE)」は、利用者の基本的な情報(既往歴、服薬情報、ADLなど)および各分野の情報(口腔・栄養、認知症など)を収集・フィードバックし、ケアの質向上につなげるためのシステムとして活用されている。令和3年度の介護報酬改定でも、「科学的介護推進体制加算」をはじめ、LIFEへのデータ提出が算出要件とされたものが複数みられ、今後もますますLIFEの利活用は推進されていきそうである。
このLIFEへの記録について、一部事業所において、利用者の様式情報を登録する際に、当該利用者の過去の様式情報が上書きされているおそれがある事象が確認され、厚生労働省から情報が発出された。過去の記録が上書きされていた場合、「ADL維持等加算」への影響や、今後実装予定のフィードバック機能への影響が想定される。
本事象を受けて、各事業所においては、操作説明書(*1)P.119を参考に、過去の入力内容が正しくLIFEに反映されているかどうかを確認することが望ましいとされる。確認に当たっては、すべての利用者について確認を行う必要はなく、同一の様式を複数回登録した利用者数名を確認することで、上書きの有無が確認できる。
なお、過去分にさかのぼって入力をやり直す必要はないこと、また、過去の記録が上書きされていたこと等によりLIFEへのデータ提出が困難であった場合についても、LIFEの関係加算を算定することは可能であることが記されている。
この発出情報によれば、「LIFE では各様式について、サービス種類、保険者番号及び被保険者番号が同一の人物に対して、同一の外部システム管理番号が付与された様式が送信された際に、過去の記録が上書きされます。そのため、同一の外部システム管理番号が付与された様式が送信された場合には、過去の記録が上書きされ、復元することができません。」とあり、現在介護ソフトの販売業者に対して、登録する帳票ごとに異なる外部システム管理番号を付与するような対応を求めている。
詳しくは、下記の厚生労働省Webサイト参照
厚生労働省老健局老人保健課
「介護保険最新情報 Vol.1077 科学的介護情報システム(LIFE)における過去の記録の上書きについて」(令和4年5月17日)
https://www.mhlw.go.jp/content/000939239.pdf
(*1)LIFE 科学的介護情報システム 操作説明書 第8版(令和4年3月31日更新).
https://life.mhlw.go.jp/configs/LIFE_%E6%93%8D%E4%BD%9C%E8%AA%AC%E6%98%8E%E6%9B%B8.pdf
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