2022/9/20
介護ベッド使用時、患者の転落防止や、起き上がり・立ち上がり動作の補助などのために、サイドレールやベッド用グリップを取り付けることがある。これらの介護ベッド用手すり等の使用に際しては、手すりの中や手すりのすき間、手すりとヘッドボードのすき間、手すりとマットレスやベッドフレームの間に、腕や指、頸部などが挟まる事故に注意が必要だ。
このような事故は、特に2009年に改正されたJIS規格に適合していない製品で多く報告されている。2009年3月に介護用ベッドのJIS規格が大幅に変更され、手すりの形状やすき間のサイズなど安全にかかわる数十項目が厳しく規定された。重大事故の報告はそれ以降減少したものの、断続的にみられており、死亡に至った事例もほぼ毎年報告されている。2022年にも、80歳代の使用者が手すりとマットレスに頸部が挟まれた状態で発見され、病院に搬送されたものの死亡が確認された(原因は調査中)。
事故を未然に防ぐために、まずは使用中の手すりが新JIS規格に適合した製品かどうかを確認のうえ、適合していない場合は製品の取り替え等を事業者と相談することが望ましい。また、挟み込みにつながるようなすき間はクッション材や毛布などで塞ぎ、定期的に目視確認を行うことが大切だ。
医療・介護ベッド安全普及協議会では、ベッドを安全に使用するための以下の4つのチェック項目を挙げた「医療・介護ベッド安全点検チェック表」を作成し、注意喚起を行っている。
①ボードとサイドレール等の間に首を挟み込みそうなすき間はありませんか?
②サイドレールとサイドレール等の間に首を挟み込みそうなすき間はありませんか?
③サイドレール等に頭が入り込みそうな空間はありませんか?
④利用者の状態を確認しながら、ベッドの操作を行っていますか?
それぞれの項目への具体的な対応例や事故事例、挟み込みが生じやすい場所もわかりやすく図示されており、ぜひご確認されたい。
詳しくは、下記の消費者庁Webサイト参照
消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について(令和4年7月15日ニュースリリース)
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_220715_01.pdf
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