2015/06/30創傷ケア
がんによる皮膚潰瘍から発生する臭気を改善するための薬剤が発売となった。これは、去る2月24日に薬価収載された「がん性皮膚潰瘍臭改善薬メトロニダゾール(商品名:ロゼックスゲルR0.75%)」。適応は「がん性皮膚潰瘍部位の殺菌・臭気の軽減」で、症状および病巣の広さに応じて適量を使用する。潰瘍面を清拭後、1日1~2回ガーゼなどにのばして貼付するか、患部に直接塗布してその上をガーゼなどで保護するもの。
再発・再燃がんの中には皮膚表面に滲出し、潰瘍を形成するものも多く、その際に発生する臭気はかなり強烈であり、患者のQOLにおいて大きな問題となる。このようながん性悪臭はがん病巣の壊死過程における代謝産物によって発生するものと考えられ、臨床の現場では、以前から滲出液の管理や腐敗・感染の管理が行われていた。そのため、院内でメトロニダゾール軟膏やクリンダマイシン軟膏などを独自に処方して使用していた医療施設もある。メトロニダゾールは、皮膚潰瘍部で増殖し臭気物質を産生する数種類のグラム陽性・グラム陰性嫌気性菌に対して抗菌活性を発揮する薬剤である。
今回発売されたロゼックスゲルRは、イギリスでは1994年から、「がん性皮膚潰瘍に伴う臭気の軽減」を適用として承認されていた。わが国では申請を受けて、がん性皮膚潰瘍に伴う臭気を有する患者を対象として行われた国内第Ⅲ相試験で、1日1~2回、14日間塗布により有効性と安全性が確認されたという。
副作用として、皮膚灼熱感、刺痛感、潰瘍部位からの出血などが海外で報告されている。さらに、「妊娠3か月以内の婦人」への投与は禁忌となっていることに十分に注意する必要がある。
使用する際は、発売元のガルデルマ株式会社のDI情報等を詳しくチェックした上で医師と十分に相談することが重要である。
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