2016/10/17創傷ケア
日本褥瘡学会では、一般の国民に対して「床ずれ」=「褥瘡」についての理解を深めてもらうために、毎年10月20日を「床ずれ予防の日」と定め、啓発活動を行っていくと発表した。同学会の案内には以下のように書かれている。
「床ずれ」は、医学的には褥瘡(じょくそう)と言い、寝具や車椅子などと皮膚が接触する部分に外力が加わることで、血の流れが悪くなり、皮膚やその下にある組織がダメージを受ける創傷です。重症化すると死に至ることもあります。
適切な予防によって発生を防ぐことができます。また、発生しても適切な治療・ケアによって改善します。
日本褥瘡学会は、「床ずれ予防の日」を中心とした期間に、一般の方にもこの病気に対する理解を深め、適切な予防・管理のための情報提供やさまざまな活動を展開していきます。
なぜ10月20日に定めたかについては、以下の理由を挙げている。
この動きは、2011年の「リオデジャネイロ宣言:普遍的な人権としての褥瘡予防」に端を発しているという。リオデジャネイロ宣言とは以下のようなものだ。
リオデジャネイロ宣言:普遍的な人権としての褥瘡予防(2011年10月)
次のように認識している
1.すべての国には、生活と健康に対する人権国民の権利を保障する責任がある。
2.褥瘡は重要な健康問題であり、世界中の何百万の人々に影響をおよぼしており、健康と
生活の質を低下させ、最終的には障害や死を引き起こす。
3.褥瘡は医療制度に大きな負担をかけ、医療従事者に深刻な倫理的および法的問題をもた
らす。
4.現在の科学的知識によると、褥瘡はほぼ完全に避けることができる(少なくとも95%)。
5.褥瘡は有害事象であり、医療制度および地域社会の両方において患者の安全に対する重
大な脅威であると考えなければならない。
この問題に対処するため、次のことが求められる。
1.褥瘡予防に関する確固たる指針を作成し実行するための精力的な取り組み
2.褥瘡の予防および治療に対する、質の高い技術的、人的なサービスへの公平かつ普遍的
なアクセスの確保
3.予防および治療手段を選択する際に、単に経済面からだけではなく、質が高く科学的根
拠に基づいた基準を用いることの保証
4.学際的かつ統合的な方法による、褥瘡患者および褥瘡リスク患者のケアに携わる医療従
事者の基礎教育および後期基礎教育の改善
5.褥瘡ケアの知識に関する研究、開発、イノベーションの推進
6.明確な学際的アプローチがあり、どの地域や医療現場であっても専門家の相談が受けら
れる、創傷ケアに特化した臨床環境の推進
7.看護師が最も適した教育を受けており、医療現場において最適の立場にあるため、褥瘡
患者のケアに対する看護師のリーダーシップの強化
邦訳:日本褥瘡学会学術委員会
引用元:http://www.epuap.org/wp-content/uploads/2012/02/Declaracion-de-Rio_Ingles.pdf
具体的には、啓発のために下記のようなポスターを作成し、HP上からダウンロードできるようにしている。
日本褥瘡学会での取り組みについては以下のWebサイト参照
http://www.jspu.org/jpn/day/day3.html
ちなみに、アメリカではNPUAP(米国褥瘡諮問委員会)が、11月17日の“World Wide Pressure Injury Prevention Day”に因んで、“2016 Stop Pressure injuries Logo”を作るなど、さまざまな啓発活動を行っている。
NPUAPの試みについては以下のWebサイト参照
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