2017/08/09創傷ケア
2017年6月2、3日に千葉県で開催された第26回日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会で、IAD(Incontinence Associated Dermatitis:失禁関連皮膚炎)に関するコンセンサスシンポジウムが開催された。これは「修正版IAD重症度評価スケールとケアアルゴリズム」というタイトルのシンポジウムで、同学会が進めてきたIADの評価スケールに関して会員のコンセンサスを得るためのものだ。座長を徳永惠子先生(セイエイ・エル・サンテホールディング株式会社)、溝上祐子先生(日本看護協会 看護研修学校)が務められた。プログラムは以下のとおりである(敬称略)。
峰松健夫先生は、これまであまり明確になっていなかったIADのメカニズムについて、現状明らかになっている病態としてデータに基づき解説した。IADのハイリスク集団としては高齢者が挙げられること、IADは接触性皮膚炎(一次刺激性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎)とは異なることに注意すべきと述べた。接触性皮膚炎は皮膚表面に付着する “アレルギー源”に反応するものだが、IADは皮膚の中に入って、排泄物に含まれる酵素が組織を壊すものとされ、発赤を見つけたときにはすでに酵素による組織の破壊が始まっていると述べた。そして、IAD特有の発生メカニズムと治療過程について以下の点を挙げた。
大桑麻由美先生は、コンセンサスで決まった名称「IAD-set」を紹介し、IAD重症度評価スケールの改正過程と定量的に評価できるスケールを作る必要性を話された。
続いて、紺家千津子先生は、「修正版IAD重症度評価スケールの採点」として症例提示と参加者による採点を行った。
このコンセンサスシンポジウムを経て、同学会では、次年度までに「IADガイドブック」を作成予定だ。
詳しくは、下記の一般社団法人 日本創傷・オストミー・失禁管理学会Webサイト参照
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