2015/12/21ストーマケア
在院日数の短縮が急速に進み、ストーマを造設した病院だけでなく複数の医療機関で造設後のケアを受ける患者が増えてきた。そのため、ストーマ造設患者のための施設間連携がますます必要になっている。これまで、ストーマ造設患者を送り出す側の取り組みは多く紹介されているが、受け入れ側の取り組みについて紹介されることは少なかった。そこで、高木良重さん(医療法人福西会福西会病院/がん看護専門看護師、皮膚・排泄ケア認定看護師)が、自施設での取り組みを医学界新聞第3151号(2015年11月23日)に寄稿している。
高木さんらは、他院から転院してきたストーマ造設患者を受け入れる際に感じている困難な点を、外科系病棟の看護師へのインタビューにより抽出した。内容は、「これまでに他院から転院してきたストーマ患者とかかわった際に感じたこと」「連携に当たりどのように取り組むとよいのか」の2点であった。その結果、表1のような意見が上がってきた。
表1 外科系病棟の看護師が感じている問題点
これらの問題に対処するために、ストーマ造設患者を受け入れる際に確認すべき項目を整理して「情報シート」を作成した(表2)。この情報シートを活用することで、患者の状態を的確に把握でき、継続ケアにつなげやすくなったという。
表2 作成した「情報シート」の項目
この情報シートをもとに、退院調整看護師・主治医・リハビリスタッフらと情報共有し、入院早期に次の療養先の見通しを立てることとした。こうした取り組みを進めている中で、多くの患者がセルフケアを確立できていないことがわかったため、次の段階としてストーマ装具交換の手技や日常生活指導を行った。具体的には、「最初の病院で受けた指導内容を確認しながら、ストーマ局所の皮膚の清潔保持方法や排泄物が漏れない装具の選択・使用方法の説明をする」などである。
さらに、患者本人へのストーマケアやセルフケア指導を継続するとともに、実際にケアを行う家族や施設の職員に対してストーマケア指導を行ったという。そして、退院後はストーマ外来が窓口になり、ストーマおよび身体状況の確認や相談対応に当たっている。
地域包括ケアが本格的に動き始める現場で、ケアの継続に向けた施設間連携がますます求められている。ストーマ造設患者においても一層の努力が求められるだろうと、高木さんはまとめている。
詳しくは、下記の週刊医学界新聞第3151号(医学書院)Webサイトを参照
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03151_04
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