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2022年1月公開
困ったときに相談する専門職として、すべてのジャンルで
WOCナースが一番
『エキスパートナース』編集部
「ストーマ管理」「日常生活」「社会生活」上で困ったことがあった際に誰に相談したかを見た結果では、WOCN(皮膚・排泄ケア認定看護師/ETナース)が一番になっています(図1)。この傾向は2回の調査で変わっていません。
図1 困ったときの相談相手 優先順位1位
安藤: すべてのジャンルで相談相手としてWOCNを選ぶ人が増えています。ストーマ管理で医師の比率が下がっているのも特徴的ですね。WOCN数は2021年現在2,589人、そのうち2,300人(88.8%)は病院に勤務しています。
片岡: WOCNが行うストーマ外来が増えているという要因もあると思います。ストーマ外来の受診状況の変化を見たのが図2です。これによると、ストーマ外来への受診は「定期的」はほぼ1割減少し、「困ったときのみ」の受診が増えています。そして、「受診したことがない」人は半減していることから、ストーマ外来の受診が増えていることがわかります。ストーマ外来数は、日本創傷・オストミー・失禁管理学会の登録数で2021年11月現在685施設となっています。
安藤: ストーマ造設時の入院期間が短縮していることから、ストーマ外来の必要性が高まっていると言えます。ストーマ外来ではWOCNが主体となり、退院後のストーマ管理と日常生活支援は不可欠ですね。
図2 ストーマ外来への受診状況
松原: 図1の「日常生活」の困ったときの相談相手として看護師の比率が上がっています。これは看護師の中でも訪問看護師がストーマの相談に乗ることが多くなってきたという背景もあるのではないでしょうか。外来には定期的に来て主にストーマの管理についてWOCNが相談に応じ、日常生活上のことは週に1~2回来てくれる訪問看護師に相談する機会が増えているように思います。
安藤: 訪問看護ステーションの数も全国的に増えていますからね。在宅療養者の医療依存度も高くなっていますので、訪問看護そのものの馬力が上がっているということはあるかも知れません。
渡邉: 日本オストミー協会が2010年(平成22年)に「訪問看護ステーションにおけるストーマケアに関する調査報告」を出しています1。多くの項目について自由記載でさまざまな意見が集約されていますが、こういう調査をしようというくらい、ストーマ保有者にとって訪問看護ステーション(訪問看護師)は身近な相談者であったりケアギバーであったりするのかなと思います。
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