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2022年1月公開
ストーマ装具は単品系が7割。消化管ストーマでは6~7割の人が
変更している
『エキスパートナース』編集部
装具の種類では、消化管ストーマでは7割前後が単品系、3割が二品系、尿路ストーマでは4割が単品系、6割が二品系でした(図1)。保有年数別では、11年以上で二品系が単品系と同じくらいになっていますが、11年未満では単品系が7割です(図2)。
ストーマの管理方法では、大腸ストーマで洗腸での管理が6人、装具と洗腸での管理が31人と、洗腸している人は5%に過ぎません(表1)。ただ、この調査は、ストーマ装具を買った人にアンケート用紙を送ってとったものであるため、洗腸だけでストーマ装具を買っていない人は含まれていないということは言えます。
図1 ストーマ装具の種類(n=875)
図2 保有年数別ストーマ装具の種類(n=973)
表1 現在のストーマ管理方法
ストーマの変更歴を見てみると、変更した経験がある人は全体で約6割います。変更歴の多いのは小腸ストーマ、大腸ストーマで、尿路ストーマは半数くらいが変更しています(図3)。その変更内容は複数回答で、「装具の種類」が42.4%、「装具のサイズ」が37.4%、「装具メーカー」が20.1%となっています。
変更理由のベスト3(複数回答)は「ストーマサイズが合わなくなった」(55.2%)、「排泄物がもれた」(45.5%)、「皮膚トラブルが起こった」(41.8%)で、「装具のもちが悪い」(28.0%)「別の装具を試したかった」(25.8%)と続きます(図4)。ストーマの種類別にみたときに特徴的なのは、小腸ストーマで「皮膚トラブルが起こった」と「使っていたストーマ装具が販売中止になった」というのがトップになっています。さらに、「変更したストーマ装具をどこで知ったか」については8割が「ストーマ外来で勧められた」と答えており、WOCNのアドバイスによって変更していることがわかります。
図3 ストーマ変更歴(n=1,086)
図4 ストーマ装具変更理由(n=543)
渡邉: お腹の形が変わってきて合わなくなったりしますので、変更する方は多いですね。あとは、高齢になって手の巧緻性や認知機能が落ちてきたりしますので、安心感のためにもいろいろ試されますね。
安藤: 認知症のあるなしにかかわらず、高齢になればなるほど新しいことに適応するのは難しくなります。サイズの変更ならば同じ装具の中でできますが、太ってしまってしわが深くなったり周囲の形状が変わったりすると面板の形状も変える必要が出てきます。排出口の形が変わると消化管でも尿路でも戸惑われることが多いですね。ただ、本当は面板の種類を変更するほうがいいと思っても、高齢の方の場合は、なんとか同じメーカーのものでスライドさせたいと考えます。特に認知機能が落ちている人は変更すると混乱してしまい、そこは考慮しなければいけないと思っています。
三富: 私も同じですね。ストーマ外来で高齢のオストメイトにかかわるときは、できるだけ同じタイプの装具で変更点が少ない対応をしようと考えます。大前提は「安全で」「リークを防ぐ」ということなので、可能な限り現状と変わらない装具にしたいと思います。後は、認知機能が低下してきてセルフケアが続けられるかどうかというときが来れば、本人ではなく家族や訪問看護師などのケアギバーがやりやすいものというようにウエイトを移していきます。
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