2017/04/20
東日本大震災から6年が過ぎて復興への道はまだ途上にあるが、震災時の経験からさまざまな災害への対策が模索されている。水や電気などのライフラインの確保、緊急時の医療面での対応が第一優先になる一方で、生活上の困難に対する対応策も重要である。その中で抜けやすいのがトイレ対策といわれている。NPO法人 日本トイレ研究所では、災害用トイレの“備えに関する考え方や施策”についてのアンケート調査を実施し、その結果を報告している。
それによると、災害用トイレの備えは不足・非常に不足との回答が53%、半数の自治体でトイレが足りないと答えた。その理由は、「予算の確保が難しい」「備蓄場所がない」等。また、トイレ対策の統括責任者(部署)を決めている自治体は40%、震災時の水洗トイレの使用可否の判断方法を定めている自治体は15%となっている。「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」(内閣府)の認知度は81%ある一方、携帯・簡易トイレの使用後回収方法・仮設トイレの設置場所・マンホールトイレの維持管理方法を定めている自治体は20%弱に過ぎない。イベントや運動会で災害用トイレを使用したことのある自治体は16%で、今後も実施予定のない自治体は66%、職員向けに災害用トイレを備蓄している自治体は24%となっている。
同研究所では、「災害トイレエチケットBOOK」(販売元は(株)総合サービス)という冊子を発行して、家庭レベルでの対策の重要性を訴えている。市販の携帯トイレには2種類あり、ポリ袋と吸水シートが一体になったタイプとポリ袋に凝固剤を入れるタイプに分けられる。使い方は、水洗機能が使えないトイレでは、ポリ容器を便座にかぶせ、携帯トイレをセットする。排泄を行った後、携帯トイレだけを交換するというもの。携帯トイレとともに備えたいのがポリ袋とトイレットペーパーなどだ。排泄は、飲食と同じくらい大切な生活要素であり、ストーマ造設者を含めて、災害時の排泄対策を準備しておくことはとても大切なことだろう。
詳しくは、下記のNPO法人日本トイレ研究所Webサイト参照
http://www.toilet.or.jp/toilet-guide/
「災害トイレエチケットBOOK」
定価:300円(税別)
販売元:(株)総合サービス(TEL 03-3274-2448、平日9:00~17:00まで)
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